コミュニケーションツールに番付があるのなら、横綱・大関は、かつてならば手紙やハガキ、今は携帯電話やeメールだろう。そこでコミュニケーション前編では、手紙派に人気のステーショナリーと、携帯電話の料金・端末に関する最近の動向をお届けします。


まずは手紙派に人気の筆記具とレターペーパーについて、銀座・伊東屋の市原美子さんにお話を聞いた。
「手紙を書くなら、筆記具はやはり万年筆。使うことで書く人の気持ちも違ってきますし、もらう人にとってもうれしいものです」
市原さんおすすめの万年筆は2本。1本目は銀座・伊東屋オリジナルの万年筆「ROMEO 2005」。2004年、銀座・伊東屋が100周年を記念して限定生産した「ROMEO」の第二弾として2005年に発売されたものだ。
「『ROMEO(完売)』は色が黒で重厚な印象でしたが、第二弾の『ROMEO 2005』はチョコレート色です。シルバーの金具がアクセントになっているので、指輪や時計など、シルバーのアクセサリーとの相性もよく、軽やかです。やや大ぶりですが、女性でも使いやすい」とのこと。普段から万年筆を使い慣れた人が、2本目、3本目として購入していくケースが多いようだ。
おすすめの2本目はペリカン社の「ペリカーノ Jr.」。こちらは万年筆を使い慣れていない人にぜひ手にしてほしいという。
「ヨーロッパでは、日本の学校で習字を習うように、学校で万年筆の使い方を学びます。この『ペリカーノ Jr.』は、ドイツの小学校で教材として使われており、万年筆をはじめて使う方や、しばらく万年筆から離れていた方におすすめです」と市原さん。
首軸の部分にくぼみがあり、ここに指を当てて持てば、正しい握り方をマスターできる。また、転がりを防止する機能も備えている。
「万年筆を持つときの理想的な角度は45度といわれています。正しく持つことで、インクの流れ方が理想的になり、万年筆ならではの書き味が楽しめます」
書き味は本物志向だが、本体のデザインや色はとてもポップでかわいい。銀座・伊東屋の社員の間でも大人気だという。ちょっとしたギフトとしても喜ばれそうだ。


続いてはレターペーパーを2商品。まずは、アメリカのクレイン社製。
「クレイン社は、ドル紙幣の紙を製造している会社で、レターペーパーはホワイトハウスのオフィシャルペーパーに指定されているほか、欧米の一流店、宝飾店で用いられています。クレイン社の紙は、パルプではなくコットンを使っています。コットンペーパーは温かみがあり、ふんわりとした風合いが特徴。万年筆との相性も抜群です」という。
昨今、環境意識の高まりから、コットンペーパーの良さを見直す動きもある。原料の綿花が一年草で、毎年、材料が手に入り、パルプと違って漂白などの化学処理を必要としないので、コットンペーパーは環境にやさしい紙なのだ。
レターペーパーのもう1つの商品は、銀座・伊東屋オリジナルの「一枚完結箋(せん)」シリーズ。普通の便箋(びんせん)よりも書く部分が少なく、デザインが極めてシンプルな点が特徴。
「普通の便箋だと罫(けい)線が多くて1枚書ききるのがプレッシャーになる、市販の一筆箋は花柄などが多く、大人の男性が使えるものが少ない、といった声から生まれた商品です。8種類の罫とサイズがあるので、お書きになる量や目的によってお選びいただけます」と市原さん。
そもそも手紙は、形式にとらわれず、出したい人に、出したいときに出すもの。このようなレターペーパーを日ごろから手元に置いておけば、手紙の良さをより身近に感じることができそうだ。

銀座・伊東屋
1904年創業の文房具店で、オリジナル商品の開発・販売も行う。赤いクリップ(「レッドクリップ」)が目印で、店内はいつもたくさんの人でにぎわう。

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。