朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷

マネー

  • バックナンバー

賢いお金生活

vol.2和泉昭子さんに聞く どう見積もる? 定年後の必要額

  • ページ1
  • ページ2

定年後、お金とのつきあい方は、年金をベースに貯蓄などの資産を取り崩していく形に大きく変わります。心に描いている暮らしをするために、いくら必要なのか。自分の趣味や家族のために使えるお金の余裕はどのくらいか。そんな第二の人生の「収支」が大まかでも把握できれば、老後に対する漠然とした不安もなくなるはず。今から始めておきたい定年後のお金の計画づくりのコツを、生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんにうかがいました。

年金が物価に置き去りにされる時代

和泉昭子さん
生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー。横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに。95年CFP取得後、現職へ。メディアや講演活動などを通じマネー&キャリアの情報を発信。

――前回、和泉さんには森永卓郎さんのお話のお相手をしていただきましたが、「定年を迎える前に、自分の幸せの基準を改めて考えてみよう」ということが大きなテーマになりました。

和泉昭子これから新しい人生を切り開いていく上で、示唆に富んでいましたね。少子高齢化が進む将来に向けて、年金や医療などの社会保障だけで将来を考えると、どうしても尻すぼみな話になってしまいます。ですから、森永さんが言っていたように、そこを個人同士が趣味でつながる小さな「マーケット」を作って助け合うとか、人生の価値観を変えるというのは、私もとても大切なことだと思います。
 ただ、定年まであと数年という今になって、生き方の急カーブをきることは簡単ではないと感じる方も少なくないでしょう。大切なのは、これからの社会の大きな変化に対応していける自分というものをつくりながら、一方で、現実的には今の生活スタイルの延長線上にどんな人生が描けるか、必要なお金の準備も前倒しで考えていくことだと思います。

――そこで和泉さんには、定年後の生活に自分なりの計画を立てるための、お金に対する具体的な考え方やチェックポントをうかがいます。

和泉ではまず、定年後の生活とはどういうものか考えてみましょう。定年後の生活というのは、要するに給与収入のない生活であり、生活の基本になるのは公的年金と貯蓄の取り崩しです。ところが生活の基盤となる年金が、今の制度では物価の上昇についていかない制度に変わりました。
 これは被保険者(労働力人口)の減少や、平均余命の伸びを保険料の計算に組み込んだ「マクロ経済スライド」という制度が導入されたためです。05年度から約20年にわたって、物価上昇率が0.9%未満の場合には年金額は上がらず、0.9%を超えた場合もそこから0.9%を差し引いて調整されてしまいます。

――つまり将来、物価や賃金のレベルが上昇していったとしても、年金はその上げ幅に追いつかず、取り残されてしまうわけですか。

和泉そのとおりです。これまでの10年とこれからの一番大きな変化は、デフレからインフレへの経済の転換でしょう。デフレの時代には、物価に対するお金の実質的な価値は下がりません。ところが世の中がインフレに向かっていく時代には、大切なセカンドライフの礎となる貯蓄の価値が下がり、さらに年金も物価の上昇に取り残されてしまう。そんな資産の目減りから生活を守るためには、高齢者といえどもある程度の資産運用が必要になるわけです。

キャッシュフロー表を自分で作る

――多くの方たちが心配に感じているのは、「定年後にいくら必要か」「自分の貯蓄と年金で大丈夫か」といったことだと思うのですが。

和泉一般的に、老後の生活で夫婦二人が必要なお金は月に最低23万円、ゆとりある生活のためには38万円ぐらいといわれています。しかし実際には、貯蓄や企業年金がどのくらいか、老後にどんな暮らし方を望まれているかなど、個々の事情で大きく違いますから、一律でいくら必要とはいえません。そこでお勧めしたいのは、ご自身でキャッシュフロー表を作ってみることですね。キャッシュフロー表というのは、将来の収入や支出を見積もって貯蓄残高をシミュレーションする表で、ファイナンシャルプランニングの基本的なツールです。

――キャッシュフロー表というと、プロのファイナンシャルプランナーに相談して作ってもらうものというイメージがありますが、なぜ自分で作るとよいのでしょう。

和泉実をいうと以前の私は、キャッシュフロー表をあまり重視していなかったのです。なぜって将来のことは誰にも分からないし、物事って計画通りにはいきませんからね。だから一定の仮定のもとに、他人に作ってもらったところで、どこまで役立つのか疑問がありました。
 でも、自分自身であれこれ数字を入力してみると、少し条件を変えるだけで、将来の預金残高の結果がずいぶんと変わるのが実感できるんですよ。どの程度の暮らしをすると、どうなるのか、いろいろシミュレーションするうちに、どこにどの程度お金を使えるのか、どれくらいの利回りで運用すればいいのかなどが、なんとなく実感できます。それが安心につながるんですね。
 今はいちいち電卓を叩かなくても、さまざまなシミュレーションが行える自動作成ツールがネット上にたくさん出ています。「どらく」を読まれている皆さんはパソコンが使えるわけですから、ご夫婦で相談しながら活用してみてください。私のサイト(http://www.a-izumi.com/tools.html)にも、シンプルなツールを載せてあります。

次のページへ
画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。