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賢いお金生活

vol.2和泉昭子さんに聞く どう見積もる? 定年後の必要額

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まず思い切り欲張って

――具体的にはキャッシュフロー表に、どういったことを書き込んでいくのですか。

和泉昭子まずは縦軸に家族の名前を書き入れ、横軸に年号と年齢の推移を記入します。そして、夫の定年、子どもの就職や結婚の予定、車の買い換え、海外旅行といった家族のライフイベントを書いていきます。
 次に家族の収入を1年ごとに書き込んでいきます。収入は税金を引いた手取りベースで書き込んでください。現役時代は夫と妻の年収、定年時には退職金。退職後については、その後どれくらいのペースで働くかや、年金はいつからもらえるのかなどのチェックが必要です。また、支出の部分は、基本生活費、住宅費、保険料、教育費といった項目別に概算の額を書き込みます。

――住宅費や保険料などは将来の数字もおおよそ分かると思いますが、退職後の基本生活費をどのくらいに設定するかで悩まれる人が多いと思うのですが。

和泉まさに、そこをこのツールでシミュレーションするのです。最初は思い切り欲張りなプランを立てて、金額を入れてみましょう。ご夫婦で「月に50万円は欲しいよな」とか希望のレベルを話し合ってみるのもいいですね。ライフイベントの項目も「年に1回は海外旅行にいきたいわね」とか、やりたいことは全部いれてみてください。そうすると、70歳で資産残高がゼロになったりするので、現実に気づくわけですね。
 特に部分年金しかない60代前半は、いかに早いぺースで貯蓄が減っていくかが実感できると思います。そこから収支の調整をしていくといいでしょう。長生きのリスクに備えながら、セカンドライフを思いっきり楽しむための妥当な値頃感をつかむことができるでしょう。

収入のない老後だからこそ

――ただ、収支の調整といっても、年金の額はあらかじめ決まっているので、現実的には支出を抑えるだけになってしまうと思いますが。

和泉たしかに収入を増やすことは難しいですね。でも、今年から厚生年金を繰り下げ受給して年金額を増やすこともできますし、無理のない範囲で雇用延長するプランも立てられますよね。同時にやっていただきたいのが、「運用の利回り」をコントロールするということです。例えば、2000万円の貯蓄を年間100万円ずつ使っていく場合、運用利回りが0%なら20年でなくなります。しかしこれを年3%で回すことができれば、30年もたせることができるのです。
 下のグラフは、前ページで紹介したキャッシュフロー表のモデル家族の場合で、資産を年1%で運用できた場合と、3%で運用できた場合の資産残高を示したものです。今、日本人の平均寿命は男性が78.56歳、女性が85.52歳といわれますが、2000万円の退職金をもらい、2500万円弱の貯蓄残高でスタートした定年後の生活で、仮に3%の運用ができれば、余裕をもって将来の生活設計がたてられることがわかっていただけるでしょう。

――自分のお金を長く生かすためにはどうすればいいか、退職金を手にする前に、今からシミュレーションしてみるといいかもしれませんね。

和泉これは私の個人的な経験ですが、私の父が定年を迎えた後、書斎で老後資金に関する計算をしていた時、ふと「いつまで生きるか分かったらな・・」とつぶやいたんです。何年生きるかが分かったら、今あるお金を上手に割り振って使っていけるのにと。結局父はそれから5年で亡くなったのですが、こんなことなら、もっと自由に第二の人生をおくってもらいたかったなと思ったものです。
 これまで家族のために懸命に働いてきて、ようやく自由に使える時間とお金を手にしたのに、将来の目安が立たないからと、やりたいことも我慢するのでは、つまらないですよね。子供たちに残すにしても、夫婦で使いきる計画にしても、人生の途中で底をつくことはないことがざっくりわかっていれば、安心してお金を使うことができるはずですし、定収入がないという不安からも解放されるでしょう。お金から自由になるためにも、ぜひ一度シミュレーションしてみてください。

和泉 昭子 (いずみ・あきこ)

生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー。横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに。95年CFP取得後、現職へ。メディアや講演活動などを通じマネー&キャリアの情報を発信。

(更新日:2007年04月23日)

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