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これまでの蓄えと年金が、暮らしのベースとなる定年後の生活。限られた収入の中で、これからの人生も自分たちが大切と思うことができるようにするためにも、ムダな出費は抑え、満足感のあるお金の使い方をしたいものです。なかなか気づきにくい暮らしの中の無駄遣いを見つけて、明るく節約を実践するためのヒントを、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんにうかがいました。
――団塊世代には、「定年後も趣味や夢の部分にはお金を惜しみたくない」と考えている方が多いと思います。現役時代と比べて使えるお金が減る中で、ムダな出費を減らすことがより大切になると思いますが
丸山晴美
定年を迎えようとしている皆さんは、ご自身の生活を収入に見合った形に再構築しなくてはいけないという気持ちはあると思いますし、やりくりの大切さも十分自覚されていると思います。ただその一方で、多くの方が、「生活レベルは落としたくない」「やりたいことを我慢したくない」とおっしゃるんですね。
私がアドバイスしている「節約」というのは、ただ生活を切り詰めて、あれもできないこれもできないと、なんでもケチをすることではありません。ムダを省くことで、定年後の目標をかなえたり、やりたいことができるようにするために行うのが節約だと、プラスに考えていただきたいと思います。
――そもそも、50〜60代の方というのは、「もったいない」という意識はもともとある世代ですね
丸山 確かにそうですね。ただ、ソンはしたくない気持ちはあっても、自分のお金の使い道を意外と把握していない方がいらっしゃいます。この機会に、毎月の生活費としていくらぐらい使っているかを調べてみるといいでしょう。毎月の生活費というのは、収入から固定費(家賃や住宅ローンなど定額で出て行くお金の合計)と、公共料金の予算、貯蓄や保険料を引いた残り。その中からいかにムダを無くすかを考えます。
ところでお金の貯め方には、3つの柱があります。ひとつめは収入を増やして、増えた分を貯蓄に回す。2つめは今ある収入の中で節約をして、浮いた分を貯蓄に回す。3つめは投資で運用する、ということですね。
1番目の収入を増やすことは、定年後はなかなか難しいですし、かえって税金や年金の面でマイナスになる場合もあります。また資産運用を考えるといっても、リタイアした方には、あまりリスクのある金融商品はおすすめできません。仕組みやリスクを理解した上で、余裕資金の範囲内でやるのはいいでしょうが、蓄えを取り崩していくこれからの生活を考えれば、「増やす」ことよりも「減らさない」ことを考えることがより大切だと私は思います。その点、節約はだれもができることです。
――具体的には、出費の中のどのような部分を見直していけばいいのでしょう
丸山 いつも私が言っているのは、「4つの消えもの」です。これは、食べたら消える(外食)、飲んだら消える(お酒やドリンク類)、吸ったら消える(タバコ)、すったら消える(ギャンブル)の4つ。もちろん、人間食べたり飲んだりしなければ生きていけないですし、金のかけ方に対する個人の価値観はそれぞれ違います。ただ、いま挙げた4つは、消費してしまうと後に形が残らないのですね。これが品物だったら「これ、要らなかったな」という反省の機会がありますが、残らないものはムダに気づきにくいのです。「我が家って特に贅沢しているわけではないけれど、なんだかお金が残らない」というお宅は、たいがいこの4つの中の何かが悪さをしています。
――なるほど。ただ、どれもまとまった大きな買い物ではないだけに、必要と不必要の線引きがなかなか難しそうです
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丸山 そこで私がおすすめしたいのが、「○△×シート」をつけていただくことです。これはお金の1カ月、現在会社員の方ならお給料日から次のお給料まで間のすべての出費を書き出して、ひと月経ったところで冷静に評価するというものです。
お金を使う必要があったもの、安く買えたものや必要経費には○。必要があったかもしけないけれど削る余地があったもの、もう少し安く買えたものは△。そしてお金を使う必要がなかったものには×をつけます。×のついたものの合計が、その1カ月のムダの固まりということですね。私が初めてこれをやった時、なんと×が3万円以上もありました。
なぜ×がついたかといえば、お財布に余分なお金が入っていたからです。お財布に入っていなければ使わなかったであろうということは、節約する余力があるお金だということです。その合計額分は翌月から貯蓄に回すことにしましょう。これは節約というよりも、まだムダを洗い出しただけの段階ですが、家計の中の不明瞭だったお金の使い道が明らかになるという意味でも効果的です。
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