――「○△×シート」をつけることで、とりあえず無理のない節約の目標額が分かるとともに、自分の浪費の傾向も見えてきそうです
丸山晴美
節約というのは、これまでお金で買っていた便利を自分でやるという面があるので、やはり手間がかかりますし、小さな努力の積み重ねの効果がすぐに目に見えるものではないんですね。はじめから海外旅行のためとかクルマの買い換えのためといった大きな目標ですと息切れをしてしまいがちですので、まずは達成しやすい毎月の目標を立てることが大切だと思います。
そのためにもひとつおすすめなのは、「行ってはいけないお店」を3つ決めることです。これは人によって違うと思いますが、私の場合はスーパー、ドラックストア、コンビニには、あまりふらりと行かないようにしています。どれも何でもそろっていて便利な場所ですが、その反面、不必要なものまで買ってしまうことが多いからです。大きな駐車場のある大型の複合施設なども、家族と過ごすには楽しい場所ですが、ともすると余計なものまで買ってしまったり、ただ時間つぶしのためだけにお金を使ったりしてしまいがちです。
――絶対に行かないということではなく、目的以外の買い物が簡単にできる環境に、必要以上に接しないということですね
丸山 もちろん家族と食事をしたり、お孫さんに何か買ってあげたりするは楽しいお金の使い方でしょう。だからこそ同じお金を使うなら、家族にとっても自分にとっても、満足感のあるものにしてほしいと思います。
毎日のお買い物では、お財布を食費用とその他の生活費用とで分けて持つようにしてください。そして夕飯の支度などでお買い物に行くときに、お財布に余分なお金を入れないことです。たいして必要のない何かをつい買ってしまうのは、お財布の中にお金があるという心理的な要素が大きいのです。また、たまたま安売りをしていたからと、一度にモノを買い込んだり、ため込んだりするのも考えもの。食品などは冷蔵庫の中で腐らせてしまうことも多いです。「底値」で買うことより、買う買わないを自分の中で決める「基準値」をもつことが大切だと思います。
身の回りの中でも、簡単にできる節約はいろいろあります。まずは電気、ガス、水道などの公共料金です。テレビ、冷房や暖房のつけっぱなし、水の流しっぱなしなどの「ぱなし」はやめましょう。また、最近の家庭では電気製品の数が多くなり、それと共に電源を入れているだけでも待機電力を消費する機器が増えました。エアコンやパソコンのプリンタ、テレビなど、使わない時は主電源を切ったり、コンセントを抜くなどこまめに実践しましょう。
――とにかく生活を切り詰めるのではなく、まずは今の自分の「消費の質」を見極め、そこから充実感のあるお金の使い方へと転換していくことが節約の第一歩のようですね
丸山 このお魚のイラストは、楽しみながら節約をがんばるための貯金シートです。お魚のウロコの中にはそれぞれ数字が書いてあります。まず、このシートの横に貯金箱を置いてください。そして、その日に節約した額面と同じ数字のウロコを塗り潰し、その額を貯金箱に入れていきます。
例えば100円節約したなと思ったら、100を塗りつぶし、100円を貯金箱へ入れましょう。また100円節約したら、「5と95」のように足して100になる数字を塗り潰します。そうやって1〜250までの全ての数字を塗りつぶすと、貯金箱には3万円が貯まっているはずです。楽しみながら節約が目に見える形になって、継続の意欲がわいてくると思います。
定年後の人生は、これまでできなかったことに挑戦したり、長年の夢を実現する時間でもあります。振り返って思い出に残らないようなお金の使い方ではなく、自分もうれしく、お金も喜ぶようなお金の使い方をするためにも、日々のお金との向き合い方を大切にしてほしいと思います。

丸山 晴美 (まるやま・はるみ)
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。旅行会社、ベンチャー企業、コンビニ店長などを経て、 2001年1月フリーの節約アドバイザーとして独立。分かりやすく、ケチではない楽しい節約をモットーに活動し、身の回りの節約術の指導をTVや雑誌などを通して指導。近著に「丸山晴美の節約生活ドリル」(講談社)。

(更新日:2007年06月25日)
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