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賢いお金生活

vol.7 目黒政明さんに聞く これから始める資産運用

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インフレの到来、増大する社会保障負担など、将来の不安から自分の生活を守る手段として資産運用の必要性が叫ばれています。しかし、これまで住宅ローンや教育費に追われてきた40、50代の中には、「将来のお金のことをようやく真剣に考えられる」という人も多いようです。そろそろ定年が視野に入り、運用に大きな失敗はおかせない世代の資産運用の始め方について、ファイナンシャルプランナーの目黒政明さんにうかがいました。。

「預貯金だけ」はインフレ時代にはリスク

目黒政明さん
目黒政明さん
めぐろ・まさあき。ファイナンシャルプランナー。1959年生まれ。慶大法学部卒業後、証券会社、独立系FPを経て、92年ライフ&マネープランニング設立。現在は(有)生活設計塾クルー取締役として相談業務にあたるほか、セミナー講師や原稿執筆等で活躍。共著に「年金はこうしてもらいなさい」「退職金はこうして運用しなさい」(ダイヤモンド社)など。

――堅実な生き方をしてきた40、50代には、ご自分の資産のほとんどを預貯金で持っているという方も多いようです。もうかるかもしれないけど、元本割れをして損をすることもあるリスク商品には抵抗感がある、という気持ちも分かるのですが。

目黒政明確かに預貯金は元本保証ですし、利回りが確定している安全性の高い商品です。将来の生活のベースとして減らせないお金や、必要なときにすぐ使えるようにしておきたい資金は、預貯金で保有しておくのは大原則ですね。しかし、預貯金にはリスクがないかといえば、そうとはいえません。というのも、預貯金というのは、「お金をふやす」という目的には向かない資産だからです。
 定年後の生活で一番怖いのはインフレ、つまり物価が上がり、苦心して貯めた預貯金の実質的な価値が下がってしまうことです。これは限られた収入で暮らす年金生活に、直接影響することになるでしょう。ですからインフレに強い金融商品を資産に組み入れておきたいところですし、過去の実績から言えば、株式はインフレ率が高かった時代に、それを上回る上昇率がありました。

――そういえば、このところカップめんやティッシュのような、身近な食料品や日用品の値段が目に見えて上がっています。数円単位の値上げも、積もり重なれば収入の限られた年金生活では生活の質に直接影響しますね。

目黒政明さん

目黒それと預貯金は「円安」、つまり米ドルやユーロのような外貨と比べて円の価値が下がれば、価値が下がってしまいます。円高でも円安でも国内で使う1円は1円ですが、日本は原油や小麦、大豆といった生活を支えている多くのものを輸入に頼っていることを、忘れることはできません。
 それと消費税や社会保険料の個人負担が増えていく将来を長い目で見た時、日本の活力が失われるというシナリオは十分考えられます。少子高齢化が進めば日本経済が低迷するとは短絡的にいえませんが、もしそうなった時には円安になる可能性が高いわけです。外国株や外国債券のような外貨建ての資産をもっていれば、円安のダメージをカバーしてくれることが期待できます。

――それぞれのリスク商品の特徴を知れば、資産運用を始める自分の目的に合った商品の選び方ができる、ということですか。

目黒そうですね。リスク商品は得をしたり損をしたりするものですが、同時に「あるリスクに対して備えることができるもの」という見方もできることを知ってください。

目黒政明さん

――「金融や資産運用に対して知識のない自分がこれから始めて、一体どれほどのことができるのか」と思われている方もいると思いますが。

目黒 今、大学生や高校生のお子さんがいらして、教育費のために資産運用どころか貯蓄を取り崩しているという方も、50代中頃あたりからは教育費の負担が峠を越えると思います。実はそこから定年退職までが、人生最後の大切な貯蓄の時期です。ここでどれぐらいお金を貯められるかで60歳以降の生活がかなり左右されるので、意識をもって運用を考えたほうがいいですね。
 それと60歳の定年退職を節目に生活はがらりと変わるとしても、定年で資産運用が終わるわけではありません。むしろまず少額でも試運転をスタートさせて、実践を通じて経験と知識を養い、退職金が入った後に改めて運用を見直すといった計画をもつべきでしょう。60歳時における日本人の平均余命は男性が22年(82歳)、女性が27年(87歳)。人生はまだまだ長いのですから、長期の視点で運用方法をえることが大切だと思います。


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