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コストに注目して、投資先を分散する

竹川美奈子さん
竹川美奈子さん

――「オーソドックスな投資信託」というと、具体的にはどういったものをもてばいいのでしょうか。

竹川美奈子 投資信託を運用のスタイルから見ると、市場全体の値動きに連動した収益を目指す「パッシブ運用」と、市場平均以上の収益を目指す「アクティブ運用」の二つに分けることができます。まず始めるのであれば、「パッシブ運用」の代表的なファンド、「インデックスファンド」がいいと私は思います。
インデックスファンドというのは、日本であればTOPIXや日経平均株価のような市場の特定の指数に連動した値動を目指す投資信託です。インデックスファンドがよいといえる理由は、まず値動きが分かりやすいという点。それと市場平均以上の成長が期待できる企業を探すための調査分析に人手や手間がかかる他のファンドよりも、運用にかかるコストが比較的安いという点です。

――投資信託のコストには、どのようなものがありますか。

竹川 投資信託には、主に下の表のようなコストがかかります。特に気をつけたいのが、その投資信託を保有している間ずっとかかる信託報酬。コンマ数%の違いでも、5年、10年と時間が経つほどに大きな差になります。インデックスファンドの中でも信託報酬には開きがあり、私は年1%未満のものから選ぶことをおすすめしています。
販売手数料の高いものも、運用スタート時点の元本が大きく減るわけですから避けたいところです。同じ商品でも金融機関によって販売手数料は違いまいすので、よく比較してください。ネットが使える「どらく」読者の方は、手数料が安いネット系の証券会社を検討してみてもいいでしょう。


投資信託にかかる主なコスト
販売手数料 購入時にかかるコストで、販売会社に支払う。同じ商品でも販売する銀行や証券会社によって違う場合も。
信託報酬 保有期間中、毎日一定の割合で差し引かれる。純資産総額の1%前後が一般的だが、わずかな違いも長期では大きな差に。
信託財産保留金 解約時にかかるコスト。解約時の基準価額に対してかかる。商品によってはかからないものもある。

――では、運用実績のあるインデックスファンドの中からコストの安いものを見つけて、買っていけばいいわけですね。

竹川 ひとつの投資先にお金を集中してしまうと、好調な時はいいですが、予測が外れた時は大きな損が出てしまいます。リスクを軽減して長期的に安定した収益を目指すには、複数の資産に分散投資をするのが最善とされています。具体的には日本株式、日本債券、外国株式、外国債券の4つがセオリーですから、これらで運用する投資信託に資金を分散するということになります。
ひとつのモデルケースとしてお話すれば、安定した運用をしたい50代であれば、最初は日本債券を40%、日本株式と外国債券を25%ずつ、外国株式を10%。もう少しチャレンジしたいということであれば、4つの資産を25%ずつでもいいと思います。
40代後半の方であれば、年金をもらうまで20年近く運用ができるということになります。例えば今お持ちお金に関しては万一のときに備えた資金(生活費の4カ月分程度)や、教育資金など中期(この先5年ぐらい)のお金としてそのまま預貯金にして、これから貯めていく分を投資信託にあてるという考え方もできます。そういう場合であれば日本株式を40%、外国株式を20%、外国債券を40%といった配分でもいいですし、それぞれ毎月1万円ずつ積み立てて買うということでもいいと思います。

――ところで、証券会社の店舗に足を踏み入れたり、銀行の資産運用のコーナーに行くというのは、少し勇気がいります。ネット証券であればそういう気遣いはありませんが、少なくとも最初だけは人に相談して話を聞きたいという方もいると思います。

竹川 金融機関に属さない独立系のファイナンシャルプランナーなどに相談してみるとの1つの方法です。また、金融機関に行くのであれば、ひとつの金融機関の話を鵜呑みにするよりも、いろいろなお店を回って意見を聞くほうがことだと思います。ただし、その際は通帳や印鑑を持って行かず、「まずは相談だけ」にすること。投資資金についても、最初は3万円とか5万円ぐらいから始めて投資に慣れたほうがいいでしょう。「いい大人が3万円なんて恥ずかしい」などと思う必要はありません。
それと先方の金融機関の研究をまったくせず、お勧めを聞くだけでは、相手が売りたい手数料が高い商品や、新規設定の商品を勧められても文句がいえません。例えば「日本株のファンドはもっているので、そのリスクをカバーする外国債券や外国株のファンドならどれがいいか」とか「信託報酬が1%未満のインデックスファンドはどんな商品がありますか」といったように、具体的な質問を用意して出かけるようにしましょう。

竹川美奈子さん

竹川 美奈子 (たけかわ・みなこ)

明治大学政治経済学部卒。出版社勤務などを経て独立。99年ファイナンシャルプランナー資格取得。現在はマネー雑誌を中心に執筆活動を行う一方、ライププランセミナーや確定拠出年金セミナーの講師を務める。著書に「投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方」(ダイヤモンド社)など。

「投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方」をこちらから購入できます

(更新日:2007年10月29日)


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