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賢いお金生活

vol.9 豊田真弓さんに聞く 定年後の医療と介護

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この機会に支払いの条件を再確認

――ところで医療保険や生命保険に関して、不払いのトラブルが大きな話題になりました。一時期の混乱は収束しているようですが、加入する側として心構えはあるのでしょうか。

豊田真弓さん
豊田真弓さん

豊田真弓 不払いはもちろん許されることではありませんが、もらう側が請求の手順をちゃんと知っていれば、回避できたトラブルも多いのです。例えば医療保険やガン保険というのは、本人が請求することが原則なんですね。ガン保険の場合なら、ガンと診断された時や入院・手術時などに給付金がもらえるわけですから、本人がガンの告知を受けていないと請求できません。
 つまりガン保険に入る時に、「もし、ガンと分かったら告知をうけるか否か」を家族の間でちゃんと決めておかないと、後でトラブルになりかねないわけです。もし、「自分は告知を受けたくない」というのなら、指定代理請求人を設定しておけば、代わりに指定されたご家族が保険金を請求することができます。保険会社に制度があれば、手続きは簡単ですし、費用もかかりません。

――通常の医療保険でも、脳卒中で倒れて本人の意思表示ができなくなった場合ですとか、認知症の場合など、保険金を本人が請求できないケースが起こりえますね。

豊田そうですね。それと「三大(特定)疾病保障保険」や「三大(特定)疾病保障特約」を利用する場合は、ガン以外の急性心筋梗塞や脳卒中では、すぐにはでないことも知っておいてください。「急性心筋梗塞で最初の医者の診断から60日以上正常に働けない状況が続いていること」、「脳卒中で60日以上後遺症が継続したと診断された」などを支払いの対象としているものがほとんどです。心筋梗塞が軽くすんで、40日で仕事に復帰した場合などは支払われません。
 もうひとつ大事なのは「責任開始日」といって、いつから保険金や給付金の支払い義務がスタートするのかということの確認です。保険会社は、契約が承諾された後、1回目の保険料が支払われた日と、医師の診査が行なわれた日(医師の診査がなければ、告知書がついた日)のうちの遅いほうを責任開始日と定めています。
 それと保険のタイプによっては、「待ち期間」が設けられているものもあります。ガン保険がそうですが、責任開始日から90日間は、ガンについての保障は始まりません。保険を切り替える場合は、保障の空白がないようにしてください。

――病気の心配と共に、「将来、もし要介護状態になったら」ということを心配されている方も多いと思うのですが。

豊田民間の保険を利用して介護に備えるということなら、公的な介護保険の要介護認定に連動したり、独自の基準に従って一時金や年金を支払う介護保険があります。良い商品も増えてはいますが、リスクから考えると、終身型で、要介護状態になれば手厚く給付され、しかも要介護状態にならなかった場合でも給付があるものが理想ですが、なかなか理想にかなう商品は登場しません。もし登場しても保険料がかなり高くなるのではないかと思います。
 介護保険は利用額の1割の自己負担で使えるのですから、基本は公的なサービスをちゃんと使うということだと思います。ただし、介護保険制度も、医療保険制度に非常に苦しい財源の問題を抱えていますから、サービスを受けるにも保険料を払う立場としても、負担は増えると考えた方がいいでしょう。
 冒頭で、定年後は医療用と介護用で1千万円ぐらいを貯金で用意しておきたいとお話ししました。かなりの大金ですが、在宅で介護を受けるとなると、公的な介護保険でまかなえるのは必要な介護の「量」の半分程度といわれています。残りの半分は、家族が介護をするか、介護をお金で買うかです。ご夫婦で助け合える状態ならいいですが、一人になって、もし要介護度3になった場合、1割の負担で約27万円分の介護サービスを受けることができますが、残り半分を「買う」場合、月20万円でも4年で960万円。これは現実に起こりうる話なのです。

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(更新日:2007年11月13日)


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