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賢いお金生活

vol.13 藤川太さんに聞く 今すぐできる家計見直し術

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「教育費やマイホーム資金の負担が重く、お金が貯まらない家計は、年収1000万円以上の中流家庭でもよくあること」。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは、そんな“家計破産”のカラクリを解き明かした話題本「サラリーマンは2度破産する」(朝日新書)の著者。これまでに1万世帯を超える家計を診断した「家計の見直し」のプロに聞いた、明るい老後を迎えるための心構えとその実践法を、2回に分けて紹介します。

50代の家計は「老後の生き方」から逆算

藤川太さん
藤川太さん
ふじかわ・ふとし。生活デザイン株式会社代表取締役。1968年、山口県生まれ。慶応大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社勤務を経てファイナンシャルプランナーに。「家計の見直し相談センター」で個人向け相談サービスを展開。著書に「サラリーマンは2度破産する」(朝日新書)など。

――藤川さんは、FPとして独立する以前、自動車会社で燃料電池の技術研究をされていたそうですね。技術畑からお金の世界に転進するきっかけは何だったのでしょう。

藤川太会社を辞めることを決めた頃、FPという資格があることを知って、自分の家計を見直すために講座を受けたんです。講座で自分の家計のシミュレーションをやってみると、これがボロボロで。住宅ローンと子供の教育費に四苦八苦する40代後半から50代前半。そして老後資金が足りなくなる60代以降と、まさに「2度破産する」パターンでした。これは定年以降も働ける職種につかないと、老後がもたないぞと考えましたね。
 同時にFPの知識が自分に役立ったので、他人にも役立つという確信がありました。ずっと研究室に籠もりきりの生活でしたから、人に役立つ実感がある仕事に就きたい気持ちも強くて、だったら自分がFPになろうとこの世界に入り、「家計の見直し相談センター」を開いたわけです。

――「どらく」読者の多くは、子育てという1度目の危機をなんとか乗り越えた、あるいは先が見えてきて、今は老後の生活に向けた家計の見直しをしなくてはいけない世代です。

藤川その世代の方たちでしたら、まずやっていただきたいことがあります。それは、子供が巣立った後、自分たちがどうするんだということを夫婦で話し合うということです。実際私がご相談を受ける時も、まずこれがある程度固まっていないと、老後にいくら必要とか、いくら足らないということが計算できません。
 例えば子供が大学に通う4年間は、一人当たり年間100万ぐらいの教育費がかかります。それが卒業してくれれば、それだけで100万円の余裕が出てくるわけで、50代中盤で家計って急に楽になるんです。住宅ローンも、年収が1千万円ぐらいある家庭では、同じような時期に返済が終わります。
 そうすると、ふっと肩の荷が下りてくる。その時に人生の目標を失ってしまうというか、自分がこれから何をしたらいいか分らなくなってしまう。セミナーで「ライフプランシートに将来のイベントを書き込んでください」といっても、何も書けないという人がたくさんいらっしゃるんです。

――「親としてしなくてはいけない」ことを終えた後の、「夫婦としてやりたいことをやる」ためのライフプランが描かれていないわけですね。

藤川子供が巣立つ時は、年月と共に必ずやって来るものです。その時になって気づくのでは実は遅い。じゃあ話し合って何が起こるかというと、夫婦間のすれ違いが浮き彫りになってきます。それが怖くて会話を避けている夫婦も多いのですが、先延ばしすればするほど修復が難しくなります。家計というのは、企業と同じひとつの経済単位です。良くしていこうと思ったら、「こうしたいよね」という話し合いを早めに始めてください。何十年もの間放っておいた関係を解きほぐすのですから、時間は少しかかると思います。
 お互いの気持ちを明かす中で、将来は海外に移住したいねとか、田舎に住んで農業をしたいとか、都会の生活を楽しみながら過ごしたいといった具体的な方向性が出てきます。それが決まって、だったらお金をどのくらい貯めなくてはいけないのかという「経営計画」が、決まってくるわけですね。


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