さまざまなタイプの投資信託が販売されている中で、そのファンドが保有している全資産の合計額を示す純資産残高で現在上位を占めているのは、毎月または隔月で分配金がもらえる定期分配型です。セカンドライフを迎える世代は、定期分配型ファンドを自分の資産運用の中でどのようにとらえればいいのでしょうか。生活経済ジャーナリストでファイナンシャル・プランナーの和泉昭子さんがお話しします。


投資信託には、分配金を定期的に現金で支払う「分配型」と、収益分配を行った後に税引き後の分配金を再投資する「再投資型」、一定期間中は分配を行わずに収益をすべて運用に回す「無分配型」があります。その中でも毎月分配、隔月分配といった形で分配金がもらえる定期分配型の投資信託は、年金生活世代を中心に高い人気があります。そもそも分配金というのは、運用の成果に応じて支払われるものです。ですから分配金を定期的に出す投資信託は、債券を多く組み込み、債券のクーポン収入(一定の利払い日ごとに受け取れる利息)を原資とするのが一般的です。
定期分配型は、資産形成期にある現役世代にとっては必ずしも有効とはいえません。分配の時点で課税(現在は10%)が行われるため、投資効率という点で不利だからです。とはいえ年金受給世代の方に関しては、分配型の利用もいいと思っています。ここが機関投資家やエコノミストと個人投資家の違いで、プロはできる限り効率よくお金を殖やすことが目的ですが、私たちは毎日を豊かに暮らすために運用をしているわけですね。いまある資産をストレスなく使っていくという面から考えると、分配金が生きてくるわけです。



特にこれからは年金をベースにして暮らすとなれば、やりたいことがたくさんあるといっても、そう簡単に出費ができません。そんな時、同じお金でも資産を取り崩すのと、入ってくるお金を使うのでは大きく気分が違うでしょう。定期預金の満期金のような、まとまった資金で改めて運用を始めようという場合も、私の親世代の方たちからは「いつまで生きるか分からないのに、今を楽しむための分配金がないものや、中途解約がしづらいものはイヤ」という声もよく聞きます。定期分配型の投資信託は、セカンドライフという「お金を計画的に使っていく」ステージを迎えた方々の心理にも響く商品なのだろうと思います。
もう一点、分配型の投資信託は、もし運用成績が悪くなった場合にも、「待てる商品」であるということも特徴です。高格付の海外債券を中心に分散投資をする定期分配型の投資信託は、為替や金利の変動リスクもありますし、株式を組み入れている場合には株価の値動きリスクもあります。また、サブプライムローン問題のような信用問題が起きれば、運用成績が落ちることもあるわけです。そういった時も、定期的に分配金を受け取ることで、長期投資をしようという気分にさせてくれるかもしれません。

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