生活費の不足分と病気や介護への備えを確保し、
残った分を資産運用。安心第一のセカンドライフ

畠中雅子さん
新聞・雑誌・インターネットなどに20本を超える連載やレギュラー執筆を持つほか、セミナー講師、講演活動などをおこなうファイナンシャルプランナー。3児の母として生活実感あふれるマネーアドバイスに定評がある。著書は「教育貧民」(宝島社)、「なぜか幸せな人のお金のルール」(幻冬舎)ほか。




Oさんはお金をたくさん使う生活に慣れてしまっているようですが、退職を迎えるまえに現実を直視しておきましょう。
O家が退職後も現在の生活レベルを落とさないでいると、生活費は10万円不足します。これが、退職時点から妻の平均寿命まで27年間分で約3200万円!また、病気や介護への備えとして、夫婦500万円ずつで計1000万円。この2つの合計である約4200万円は運用に回さないお金と考え、定期性預貯金や個人向け国債を利用します。病気への備えに1000万円は多すぎるように思うかもしれませんが、大手企業の役職者は退職後の入院にも個室を望む方が多いので、金額がかさむケースが目立つので、これぐらいは確保しておきましょう。

退職金が5000万円と非常に恵まれているOさんですが、資産運用に回せるのは2500万円。これを、元本割れしない貯蓄型1000万円、株式や投信1000万円、外貨建て金融商品500万円の3つにリスク分散をさせて、運用していきます。後ろ2つはリスクを伴う商品ですが、すでに生活費と医療費の備えは万全なので投資できるわけです。
今までたくさんの定年退職者の方の相談にのってきましたが、毎日通勤していたのに、急に家にいるようになったのが不安なのか、やけにゴルフに行ったり、仲間と旅行に出かけたりする人がかなりいました。こういう人は、お金をやたらと使う癖がついてしまいます。いったんついてしまった癖はなかなか直らず、レジャー費が予想外にかさむのです。
いくら資産を運用しても、現役時代の給料ほどはそうそう稼げません。退職直後は、生活リズムが安定するまで平常心で過ごすことを心がけてください。資産運用とは関係なさそうですが、こんな生活習慣がセカンドライフの安定・安心を生み出します。
収入が多く、派手な支出に慣れている方ほど、「セカンドライフはなんとかなる」と思い込みがちですが、いざ退職してみると、生活費のやりくりに苦労するケースが多いようです。
そこで、真っ先にアドバイスしたいのでは、資産運用にせよ、楽しみにお金を使うにせよ、生活のリズムをつかむまでは、落ち着いた生活をすること。たとえば、年金の受給は隔月なのに受給月に散財してしまって、翌月の生活費に苦労する人は意外に多いんです。また、現役時代は気にならなかった数千円の支出が重くのしかかってくることも。Oさんの場合も、定年までの4年間で支出を細かくチェックして、退職後も引き続き払っていく生命保険や健康保険の保険料などの金額を確認しておくことをおすすめします。
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