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退職金あれこれ

「自分だけは大丈夫」と思い込んでいる人ほどアブナイ!? 先輩たちの失敗に学ぶ、退職金運用の落とし穴

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ファイナンシャルプランナー・深野康彦さんが失敗例を一刀両断!

プロフィール

深野康彦さん

深野康彦さん

(有)ファイナンシャルリサーチ代表。金融資産運用設計を得意とするファイナンシャルプランナー。資産運用や家計管理の大切さを伝えるため、新聞やマネー誌、経済誌などで積極的に執筆と取材協力を行っている。セミナー講師、ラジオパーソナリティとしても活躍中。

数千万円の退職金に振り回されるから失敗する
あなたは金融商品の説明に書かれている数字を理解していますか?

「数千万円という退職金が入ると、このお金をなんとかしないと!と、焦ってしまいます。これが失敗のもと。退職金運用で失敗されている方の多くが、お金に振り回されてしまっているのです。「みんながやっているから…」と飛びつくのは禁物。特に、利率や運用利回りなどの数字に飛びついて失敗しているケースが目立っています」(深野さん)

CASE1 Nさんの場合

高利回りなので始めた外貨預金。
けれど、為替差損と高い手数料で、おろすと元本割れに…

ニュージーランドドル(NZドル)の6カ月定期が年利5.5%と聞いて、「これなら預貯金がどんどん増える」と思って、退職金のほぼ半分の1千万円をNZドルで外貨預金。ところが、わずか半年で父が倒れて要介護になったため、家をリフォームする必要がでてきました。それで満期になったNZドルの外貨預金を全額引き出し、日本円にしてみると、なんと元本割れ! 為替手数料を支払ったのと為替差損で1千万円が約980万円になってしまいました…。

深野さんがバッサリ! Sさんのココが間違っている

表面的な利率の高さにひかれてしまったから失敗

Sさん失敗の原因は、表示されている利率の高さに飛びついて、「実質利回り」を考慮しなかったこと。確かに外貨預金は、円預金と比較すると金利は高いのですが、必ず為替手数料がかかるということや為替リスクを見落としていました。

外貨預金の実質利回りとは、表示されている金利から為替手数料を差し引いたものです。米ドルの外貨預金を例にとってみましょう。仮に利率を年4.0%、為替レートを1ドル=115円とします。米ドルの場合、為替手数料は1ドルあたり往復2円が一般的。したがって、2円÷115円=約1.74%が1ドルにかかわる為替手数料。すなわち、4.0%−1.74%=2.26%が実質利回りとなるのです。ただし、実際には利息に対して20%の税金が課せられるので、より正しく計算すると、4.0%×80%−1.74%=1.46%が正味の実質利回りとなり、表示されている利率よりもかなり低くなってしまうのです。

さらに挙げられる点は、Sさんが選んだのがNZドルだったこと。為替手数料はマイナーな通貨ほど高めに設定されていて、NZドルには往復3〜5円程度かかることがあります。しかも、NZドルは1通貨74円前後(8月18日現在)なので、為替手数料の占める割合が4.05〜6.76%になり、たとえ利率が年5.5%であったとしても、場合によっては預け入れた時点で元本割れになってしまうのです。また、外貨定期預金は原則中途解約不可なところが多いので、契約前に必ず確認してください。

ぱっと見の収益に鼻の下を伸ばさず、退職金こそ、利用する金融商品は慎重に吟味しましょう。

CASE2 Iさんの場合

友人たちの話を聞いて株式を次々に購入。手を広げすぎて管理ができない…

「個別銘柄は儲かる」と聞いて、友人が買った株を次々に最低単位で購入。あっという間に10銘柄を超えてしまい、今、全体で儲かっているんだか、損をしているんだか、わからなくなってしまいました。しかも、その中のいくつかは値下がり。売りたいけれど、損切りできないまま保有しています。

深野さんがバッサリ! Iさんのココが間違っている

株の初心者にありがちな失敗。銘柄数は目の届く範囲にとどめるのが鉄則

Iさん、自分で「ファンド」を作ってどうするんですか? 「この株で儲かった」という話を聞いて、飛びついちゃいけませんね。そういう株はすでにかなりの高値になっていることもあるので、後追いするIさんは友人のようには儲けられないかもしれないものなんです。また、最低売買単位で買っているのも失敗かも。2単位以上買っておいて、株価が値上がりして納得できる収益を確保できたら半分を売るようにしましょう。これで売った分の利益は確定しますから、もう1単位が下がって損しても、相殺で考えれば、損を多少でも緩和できます。また、値上がりが今後も見込めそうな優良株は買い増しをしていきましょう。ところが、買い増しができない人が多いんです。なぜか変な欲が出て、別な銘柄を買ってしまうようなんですね。個別銘柄の売買に慣れるまでは、2〜3銘柄でとどめておくことが得策だと思います。

深野さん流 退職金運用の心得

  • ポイント1預金の利率や投資信託の騰落率などといった数字が何を表しているのか、きちんと理解する
  • ポイント2実質利回りを意識し、自分なりに計算して目安をつかんでから商品を選択する
  • ポイント3いつ、どれくらいのお金が必要なのかを整理して、資金需要にマッチした商品を選択する

深野さんからのアドバイス

退職金というまとまった大金が入る退職時。その時点で、どう運用するかを決めていなかったら、いったん退職金の全額を3カ月や6カ月ものの定期預金に預けて、頭をクールダウンしてから運用法をじっくり考えることです。定期預金は現在の水準では大して利息はつきませんが、流動性が高く、資産需要にマッチした金融商品に簡単に組み替えられますから。将来のマネープランを考えてやってもいいのは、住宅ローンの繰り上げ返済だけです。

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