連載第2回は、アンケートでたくさん寄せられた「購入にまつわるお悩みや疑問」から10問をピックアップ。引き続き、FPのお二人にお答えいただきます。
一部には「分配型は投資効率が悪いからダメだ」って書いている本もあるけど、私は分配型も勧めていますよ。年金生活をしているならね。
私も。若い人には勧めないけど。分配で得たお金を使いたいんだもんね。
そう。だって、投資家は「投資効率」っていう理論だけで動くわけじゃないでしょ。でもそういう本は、理論だけで説明しちゃうんだよね。基準価額が下がったり、分配金に税金がかかったりするから効率が悪いって。それは正しいんですけど、年金生活者には、例えば「年金だけで毎月足りない生活費をどうするの?」とか、切実なニーズがあるわけです。その場合、「合理的か非合理的か」って概念を言っても意味がない。「分配で毎月3万円もらえるなら非合理でもいいじゃん」っていうことなんですよ。
そうそう。実際、この前も「200万円の元本で、毎月数千円の分配をもらえるファンドはあるかな?」って聞く方がいて。どうしてその金額が必要なのかを聞いたら、高齢のお母さまを医療保険に入れてあげたくて、その保険料は貯蓄から取り崩すのではなく、運用益でまかないたい、と。そういうニーズの方に、効率面から「ダメ」っていっても説得力ないですもんね。

私のお客さんも「習い事したいから、その月謝を何とかしたい」って言うから、「分配型のコレで…」アドバイスして。でも、「ただし、習い事をやめたときにこの商品を売って、もし元本が減ってたら、その損は結果として『月謝だった』と思ってくださいね。それで納得できるなら買ってください」って。そのお客さんは買ったと思いますよ。
うちの親は、戸建てからマンションに引っ越したんです。それで、一番抵抗があるのが「管理費を一生払うこと」なんですって。それで、その管理費は毎月分配で出してますよ(笑)。
それと、もうひとつ分配型のメリットを言うと、もし暴落したときに、分配金を受け取っている分は損にならないってことかな。
あと、注意してほしいのは、分配型を勧めるのは「用途がある」人ね。もらった分配金を貯蓄したり、同じファンドに再投資するなら、分配しないタイプのほうがいいですよね。
そうそう。分配も毎月、隔月、四半期半期とかいろいろあるけど、毎月分配を選んでいても「毎月もらえる額が少ないから、それを3カ月分ためて使う」っていう人もいるでしょ。それなら3カ月分配のほうが効率的ですよ。分配金のもらい方が選べるなら、使い方に合った方式を選ぶといいんじゃないですかね。
それと、「分配がもらえるなら何でもいい」っていうんじゃないですよね。中には、頻繁に分配するのに向かないタイプのファンドなのに、「分配型が人気だから、ムリヤリ毎月分配にしておこう…」っていう商品もある。そういうのには気をつけてほしいと思います。
老後資金のためにこれから増やしたいなら、分配はやめたほうがいいですよね。
そう。商品的には、日本の景気は拡張しているから日本株型をベースに何かをプラス、って感じでしょうね。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)など、これから7〜10年くらいで伸びそうな国のものを少し入れるといいかも。
投資の原則は伸びている国や地域、あるいは業種などに投資することですからね。
あと、資源系もいいでしょうね。中長期的に、世の中が向いていく方向に合わせて。でも、それだけだと、値動きが似ちゃうから違うタイプもさらに入れて…って言うとバランス型になっちゃうか。
いや、バランス型を1本買うより、自分で数本を組み合わせたほうがいいと思いますよ。
アンケートでもバランス型が人気ですね。私、この前、びっくりしちゃったんだけどね。最近、団塊の世代向けのバランス型の商品ってたくさん出てるじゃないですか。で、ある販売窓口で、「バランス型を持っているなら、もう1本バランスで組み合わせて…」ってお客さんに提案してるんですよ。「中身が違いますから」って。
「バランス感覚ないわね」って言ってあげれば(笑)

ねー。「コーヒーのブレンドとブレンドを組み合わせて、ブレンドを作ります」っていうのと同じなのに…。でも実際、バランス型を何本も組み合わせて持っている人が多いんですよ。窓口で勧められるからというのと、バランス型はまったりした値動きで、元本割れもしにくいしね。
でもそれだったら違う値動きのものを自分で組み合わせたほうがいいですよね。
バランス型の投資信託を食事にたとえると、フルコースのお料理みたいなものですよね。初めて入ったレストランでは「とりあえずフルコース」でいいと思うんですけど、慣れてきたら、自分で好きなメニューを選ぶほうが通ですよね。「最近野菜不足だからサラダを多めにしよう」とか「魚をメインに野菜とスープ。デザートもちょっと」とか。その感覚でファンドも組み合わせたらいいと思います。
純資産額が小さくなっているとか、過去の運用歴でどこを見てもマイナスの商品はダメですね。それはもう、一発逆転はないですから。純資産額が小さいものは、繰上げ償還がコワイんです。要は、純資産額が小さくなると運用コストが出せなくなって、運用を打ち切って償還されてしまう。10億円とか30億円とか、商品によって違うんですけど、目論見書には「○○億円以下になった場合は償還します」って書いてあるので、それをチェックしましょう。
でも大きければ大きいほどいい、っていうものでもないんですよね。
そう、それは別問題で。マーケット規模に対してどのくらいの大きさか、っていうのが大事ですね。たとえば世界の債券で運用するタイプなら、純資産高が5兆円になったって、マーケットが大きいから大丈夫。太平洋の中でクジラが泳いでいるような感じなんですよ。でも、たとえば、ベトナムだけに投資する商品で500億円くらいに膨らんだらかなり厳しい。池の中でクジラが泳いじゃう状態なんです。
運用会社も資金が集まりすぎると募集をストップしたりしますよね。
あと買ってはいけないのは、出遅れたテーマファンド。そもそもテーマファンドって、そのテーマの人気がピークのときに設定されるから、すでに遅いものが多いんです。とくに複数の週刊誌などで「○○関連のファンドがいい!」とか言い始めるほど広まったら注意したほうがいいですよ(笑)
でも、ピークの前ならね。
今、買っていいテーマファンドは「水関連」ですよ。いわゆるウォーターファンド。
確かに水はいい!!
世界中が水不足ですし、中東はオイルより水が貴重ですから。海水を淡水に変える技術やプラント建設、大注目ですよ。まだ設定されているファンドも少ないし、これから伸びると思いますよ!
投資信託の場合は、買いたいと思ったときが買いのタイミングですよ。なぜかと言うと、投資信託っていうのは「商品名」と「中身」が変わるんですよね。例えば株の場合、トヨタはいつ買ってもトヨタで、ソニーにはならないでしょ。でも投資信託は「○○ジャパンオープン」などの商品名はずっと続くけど、常に銘柄の入れ替えが起こっているんですよ。

ということは、買うタイミングを重視することは、あまり意味がない。とはいえ、例えば日経平均株価がどんどん上がっちゃってるときには買いにくいから、あえて言うなら、みんなが悲観したとき、つまり相場が下がったときが買い。でもそこで勇気を出して買える人は、なかなかいないですよね。
それと、買うときは一度にドカっと買わない。
下がったときならまとめ買いでもいいけど(笑)。それは難しいから、やっぱり積立がいいんじゃないですか。日本人は、買い増しが苦手な人が多いんですよ。いつも「何かいい商品ないですか」って探している人がいてね、「今持ってるファンドを買い増せば?」って言っても、「いや、あればダメ。安く買ってるから、買値が高くなるのが許せない。あれは自分にとってのお宝だから」って。それは違うんだけどなー。それだと余裕資金ができる度に、「いい商品、いい商品」ってずっと探しにいくことになるし。極端な例だけど、ある人がいいファンドを見つける度に1万円ずつ買ってたら50本になっちゃった、って話もあって。
それだと、自分で把握しきれないね。
そう。だから、合理的なのは「買いたい商品を見つけたら、タイミングを悩まずに積立」ですよね。
| 株式中心 | |
|---|---|
| 債券中心 | |
| 不動産中心 | |
| バランス型 | |
| ファンド・オブ・ファンズ | |
| その他 | |
| わからない |
| 毎月 | |
|---|---|
| 隔月 | |
| 半年に1度 | |
| 年に1度 | |
| なし |
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