では、締めくくりとして、投資信託の未来についてうかがいましょう。5年後、10年後、投資家や投資信託の状況はどうなっているのでしょうか?
まず、今後について言えるのは、投資信託はどんどんポピュラーな商品になる、これは間違いないです。
そうですね。
投資信託の大きな魅力は、自分で運用する手間をプロに任せることによって、自分は自由な時間を得られるということなんですよね。誰でも1日24時間に限られているんだから、「Time is money(タイムイズマネー・時は金なり)」で「Cost is time(コストイズタイム・費用は時間)」。投資信託の手数料って商品コストに見えるけど、自分のライフスタイルにおけるコストなんですよね。

そう、私も時間がもったいなくて、株投資から投資信託にシフトしてます(笑)。最近は、海外で設立・運用をされているオフショアファンドについても、少しずつ取材したり、研究したりしているんですよ。例えば、日本には「海外では知られていないけど、すごくいい化粧品を作る企業」がありますよね。それと同じように、日本ではまだ知られていないけど、質のいいファンドっていうものも世界中にあるんです。でも、日本人が買うには取引は英語だし、送金手数料もかかるし、敷居が高い。そういうものも日本で普通に買えるようになって、商品が多様化するといいですね。
うん、多様化は必要でしょうね。例えば、日本ではJASDAQ市場に連動するインデックスファンドすらまだない。さらに、いろんな商品でアクティブ型、インデックス型があったり、そういうバリエーションもほしいですね。で、それらが出揃った時点で、真の手数料競争が始まるんだと思うんですよ。だから商品が多様化して、投資家の意識が高くなってくれば、投資信託はもっともっと良くなるはず。
投資家の意識面で言えば、日本人はとにかくリスクを嫌うでしょ?「値動きしない方が好き」って。でも、値動きしないものは利益も上がらない。第一、値動きしないってことは「経済が死んでいる」ってことなんです。欧米では、「自分が求めるリターンのためには、もう少し引き受けるリスクを大きくしてもいい」という考え方すらあるんですね。日本もオルタナティブ(代替)投資などが入ってきて、選択肢がちょっとずつ広がってきていますけど、欧米のように投資家が成熟していけば、もっと本格的で楽しいファンドが増えてくると思いますよ。

そうですね。じゃあ最後に、日本の景気についてお話しすると、「実感なき景気回復」は続くでしょうね。日本の全国民が「景気がいい!」って実感できる時代はもう来ないと思うんですよ。私たちが好景気にイメージするのは「贅沢すること」なんですよね。「高度成長しないと景気がよくない」って思ってるでしょ。給料がバンバン増えるとか。でも給料を増やしちゃうと、国際競争力が下がっちゃうから、上げられない。だからこれからはひとりひとりが勉強して、知恵を働かせることが大事なんです。で、その場合、勉強するツールもいっぱいあるけど、自分ひとりで難しければ、知ってる人を仲間にすればいいんですよ。FPに相談するとかね。

深野康彦さん
ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー
クレジット会社、独立系FP会社2社を経て、2006年1月に有限会社ファイナンシャルリサーチを設立。「FP業界のみのもんた」と称されるほど、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌等、多数のメディアで活躍中。

和泉昭子さん
生活経済ジャーナリスト
ファイナンシャルプランナー
出版社、放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュースや情報番組を担当。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信している。
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