「団塊の世代」の大量退職時代が始まった。退職金に狙いを定めた「団塊マネービジネス」も花盛りだ。でも、医療費などの負担増は、お年寄りにも押し寄せるなど不安も大きい。「退職後も安心して暮らしたい」。そのために備えるべきことは何だろうか。年金はどこまで頼りにできるのか。老後の資金は、今のままで大丈夫ですか? まずは、生活設計のイロハから。
「退職金を元手に投資をしたい」。家計の見直し相談センターの藤川太さんのもとには、最近、そんな相談が増えているという。退職祝いに世界旅行、我慢していた高級車を買う、といった話も珍しくない。
では、老後の生活資金はどれくらい必要なのか。高齢期の生活設計の相談を受けているNPO法人「らしさ」のフィナンシャル・プランナー、山田静江さんに試算してもらった=図
収入の柱は年金。夫の厚生年金は月16.7万円、妻の国民年金は、厚生労働省のモデルのように満額受給できる人は少ないため4.7万円程度と見込んだ。
年金の支給開始は65歳まで引き上げている途中で、今回の例では63歳まで定額部分がもらえないため、この間は夫が仕事を続け年金などと合わせ月30万円の収入を得る前提で計算した。
一方、毎月の生活費は約22.5万円、住宅の維持費を年間30万円と見込んだが、必要なお金はそれだけにとどまらない。築10年、20年たてばリフォーム、車があれば買い替えも必要になる。そうした「イベント費」に、医療や介護などへの備えを合わせると、約3300万円不足する計算になった。
これは、物価の上昇などを考慮せずに単純計算したもの。年金は今後、少子化を反映して物価水準の伸びよりも抑えられて実質的には目減りする。また、新しく75歳以上の医療制度ができればこれまで扶養家族だったお年寄りも保険料の負担が増えるし、将来、消費税が引き上げられれば、生活費はもっとかかるかも知れない。
さらに、今回は持ち家のケースを考えたが、賃貸で家賃の支出があれば月々の生活費はさらに増える。持ち家でも60歳の時点でローンが残っていれば、不足額はさらに膨らむ。
山田さんは、不足分を退職金や蓄えで補える人はいいが、そうでなければ、働く期間を長くして収入を増やすことや、支出を抑えることも考えなければならなくなると指摘する。「子どもの結婚や住宅資金の援助をする人も少なくありませんが、その余裕が本当にあるのか。まずは自分の生活をきちんと見つめて、使えるお金を把握することが大事です」と話す。
私は今年から年金をもらい始めるが、59歳の夫は、来年が定年。夫の生まれ年だと年金を満額もらえるのは64歳から。それまでは働き続けたいが、どうなるかは分からない。
老後の生活費として十分ではないが、普通に暮らすだけなら、2人分の年金でも何とかなる。ただいつ病気をするかわからないし、とても年金だけでは賄えなくなりそう。できるだけ体を動かして、健康でいなければいけないと思っている。
(大阪府 主婦 65歳)
夫は62歳だが、65歳まで会社にいられるので、老後のお金についてまだ検討していない。死別するかもしれないし、介護が必要になるかもしれないし、具体的にいくら必要か見当がつかない。年金も将来きちんともらえるか不安がある。
地域ビジネスを起こして、民間の保険にも入った。自分の保険料が出せるくらいの稼ぎで仕事をしながら、とりあえず10年ぐらいはしのげるかなと思っている。
(名古屋市 女性NPO代表 56歳)
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(更新日:2007年04月06日)
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