年金は、ある年齢になれば自動的にもらえる――。そう勘違いしていませんか。会社勤めのころは、社会保険などで必要な手続きは会社がやってくれたはずです。でも、仕事を辞めた後は、そうはいきません。年金も、自分で請求しないと、いつまでたっても受け取れません。どんな手続きが必要なのか。注意するべき点は。今回は「年金のもらい方」です。
年金は、黙っていてはもらえない。では、どうすればいいのか。
年金の支給年齢は65歳からに引き上げ中だが、53年4月1日以前に生まれた男性で1年以上会社などに勤めたことがあれば、60歳から年金が出る(女性は58年同日生まれまで)。その場合を例に、図にした。
まず、50歳で年金額の試算が可能になる。生活設計に必要なら、近くの社会保険事務所に依頼する。
58歳になって約3カ月後。社会保険業務センター(東京)から、年金加入記録の通知が届く。勤め先や働いた期間が書いてあるが、同センターが把握する分だけなので漏れもありうる。年金はこの記録に基づき支給されるので、よく確認することが必要だ。
特に転職が多かった人は念入りに。96年までは同じ人でも年金の種類や勤め先で年金番号が違ったため、違う番号の期間が別人扱いされ、記録に反映されていないことが珍しくない。
60歳になる約3カ月前には「裁定請求書」が届く。加入記録を再び確認、振込先の銀行口座などを書き込み、同事務所に持参か郵送する。請求は60歳の誕生日の前日からでき、戸籍や住民票も同日以降のものがいる。請求が遅れても5年間はさかのぼって支給されるが、金利はつかない。
支給は60歳になった月の翌月分から。請求後約3カ月で支給が始まり、以降は偶数月に、前月と前々月分が支給される。ただ、退職後に失業手当を受け取ると、その間は年金が出ないので注意が必要だ。
同センターの記録上、勤めた期間が1年未満のため65歳からしか年金が出ない人や、そもそも加入期間が25年に満たないために年金をもらう資格がない人には、60歳の3カ月間に、その通知が届く。
「でも、すぐあきらめないで」と社会保険労務士の岩城慎二さん。職歴を精査したり、国民年金への加入が任意だった時代の「被扶養」期間や、海外居住期間などを算入したりすれば、もらえるようになることも多い。同事務所に相談するか、社労士会などの年金相談を使う手もある。
会社員(59)から「国立大に勤めた時期があり、年金は厚生と共済の二つになる。手続きは?」という質問をいただいた。厚生年金は同事務所だが、公務員らが入る共済年金の請求先は共済組合なので、それぞれ請求することになる。
会社独自の企業年金も別途、勤め先の厚生年金基金などに請求。転職した人は転職前の分を忘れやすく、転居で案内が届かなくなることもあり、要注意だ。
1年ほど前までは年金について深く考えたことはなかった。昨年末っ子が社会人になり、やれやれと思ったとたん、老後への不安にかられ、社会保険事務所で夫と私の年金を試算してもらった。その額を見て現実の厳しさを知り、ますます不安になった。
5日付「退職後の生活資金どれぐらい?」は、自分たちに当てはめて読んだ。59歳の夫は63歳まで働くことができそうだ。退職金に手をつけず年金で暮らしていく方法を、図を見て考えていたが、夫75歳あたりから将来がかすんでしまう気がした。「備える」シリーズに期待している。
(京都市 パート女性 57歳)
過去、1年半ほど会社勤めをしていたが、年金手続きはほったらかしにしていた。知人から「もったいない」と言われ社会保険事務所に手続きに行くと、それまでに100万円近くもらえていたはずとのこと。びっくりした。ついでに年金を試算してもらったら、国民年金は月約7万円。厚生年金分がいかに貴重か、実感した。65歳までに手続きしなければ、もらえないところだった。私のように「どうせちょっとだから」と、手続きせずに損する人も多いと思う。もっと事前に詳しい説明をしてほしい。
(東京都杉並区 パート女性 62歳)
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(更新日:2007年04月12日)
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