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老後の住まい編

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第2の人生、都心で暮らす?
資金計画は余裕残して 持ち家売らず賃料得る道も

子どもたちが巣立って夫婦2人になってみると家が少し広く感じる。庭の手入れや階段の上り下りもおっくうになってきた……。定年退職などを機に、郊外の一戸建てから生活の便の良い都心のマンションへの住み替えを考える人も少なくないようです。ポイントを専門家に聞いてみました。

※クリックすると、拡大します

都心のマンション情報などを扱うリクルート社の住宅情報「都心に住む」は、働き盛りの30代や年収のある50代が読者層の中心。だが最近、60代読者が目立つという。

小野央嗣(ひろ・つぐ)編集長は「今の60代はアクティブ。考え方も柔軟で、多様になっているように思う」と話す。

団塊世代を対象にした同社のアンケートでは、新築マンション購入希望者のうち4割以上が、今の住まいより駅の近くや都心への住み替え希望だ=図。

食事や日常生活支援などのサービスの付いた「シニア向けマンション」でも、「かつては熱海などの保養地が多かったが、最近は大都市圏や地方都市の駅前など利便性の良い所が多い」(長谷工総合研究所・吉村直子主任研究員)という。

ただ、こうしたマンションへの住み替えで、最大の課題は資金計画。一戸建ては20年たつと土地代だけの評価が相場と言われる。郊外のマイホームを手放しても希望の売値からはほど遠く、預貯金などがないと購入は難しいのが実情だ。

フィナンシャル・プランナーの馬養(ま・がい)雅子さんは「老後の生活資金も必要だし、介護が必要になった時には将来、もう1回住み替えないといけない可能性もある。蓄えをある程度残して購入できる物件を考えるのが現実的」と助言する。

「家を手放すのは不安」という人向けに、国土交通省の支援を受けてできた非営利法人「移住・住みかえ支援機構」がマイホームを借り上げて賃料を保証する制度も、昨年10月から始まった。賃料は相場より1割程度安めだが、空き家でも収入を保証、相続も可能だ。

同機構代表理事の大垣尚司・立命館大教授は「売ってしまえば家の利用価値はゼロだが、借りてもらえば生かすことができる。土地を持っていればインフレのリスクにも強い。マイホームを手放さなくても、資産として生かす選択肢はある」と強調する。

定年を目前に、同機構の仕組みを使ってこの4月に京王線沿線の駅前のマンションに移った東京都内の会社員Aさん(59)=図=は、「自宅の近くでたまたま安い物件を見つけられたので決めました。生活には便利な所で満足しています」と話す。

ただ、苦労したのは荷物の整理。部屋の広さはこれまでとほとんど変わっていないが、「前の家から持ってきたものは3分の1くらい。家具はほとんど処分した」という。

「どれもそれぞれ思いが詰まっていて、なかなか捨て難かった。まったく新しい生活を始めるというぐらいの覚悟とエネルギーが必要ですね」と語る。

私の場合

必要経費も少なく

2年前に、神奈川県内から都心へ住み替えました。夫の職場が近くなったので、夫は職場を出て30分後には、着替えて食卓につけています。「時は金なり」といいますが、本当に生活スタイルに余裕ができました。また、あまり調べずに引っ越してきたのですが、子どもの医療費への補助など、行政サービスが前に住んでいた土地とは雲泥の差なので、それが一番のうれしい誤算でした。何でも近場で済ませられるため、交通費も驚くほど安くて、必要経費は逆に少なくなった気がします。

(東京都江東区 主婦 38歳)

よく考えてから

都心の地価が下がって高層マンションが建ち、手ごろな価格で手に入るようになったようだ。交通の便や安全さもあり、高齢者に人気とか。ただ物価高や騒々しさは否めないだろう。やはり都心は住むのではなく、着飾って買い物や観劇などに出かける上質な娯楽の場であってほしい。適度な近所づきあいもあり、田舎へも行きやすく、病院や公共機関もそう遠くない距離にある郊外の都市の方が、結局は住みやすいのでは。介護施設の有無など、都心を選ぶ前によく考えてみることが大切だと思う。

(大阪府吹田市 男性 67歳)

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(更新日:2007年05月17日)

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