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老後の住まい編

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田舎で暮らせば
都会と往来する手も 国も注目、支援策を検討

都市に住む中高年にとって田舎暮らしへのあこがれは強いようです。人口減に悩む町村には様々な誘導策があります。でも、いざ定住となると、意識や環境の違いがハードルに。移住には確固たる心構えが必要です。最近は、都市に家を持ちながら、田舎との間を行き来する暮らし方も提案されています。

※クリックすると、拡大します

団塊世代に向ける地方自治体の視線は熱い。担当窓口を設けたり、住宅や仕事をあっせんしたり。04年にNPO「ふるさと回帰支援センター」が実施したアンケートでは、1285自治体のうち48%が、定住支援策を「実施中」「計画中」だった。

とはいえ、最初から気持ちよく定住できるわけではない。「カルチャーギャップに驚いた」と、首都圏から静岡・伊豆地方に移住した女性(58)。3年間で4回引っ越した。女性の一人暮らしは敬遠され、やっと見つけた物件でも「人の出入りが多い」と1年弱で転出を迫られた。

「畑の野菜をどうぞ自由に」と勧められたのに、後で「採りすぎだ」と怒られた。明るい色の服を着ると近所の話題になった。「もっとすんなりとけ込めると思ったのに」と振り返る。

女性は寺の掃除など地域活動に参加し、積極的に外出するようにした。今春ようやく家を購入できたが、地道に作った人間関係がなければ、物件にたどりつけなかったと思う。

「ふるさと暮らし情報センター」を運営する社団法人「コミュニティネットワーク協会」の小泉奉子事務局長は、「ひきこもったり、都会に引き返したりする例もあります」。人間関係だけでなく、生活環境も変わる。「虫が多い」「草刈りが大変」といったことが耐えられない人もいる。

センターには、「どこが暮らしやすいのか」といった漠然とした相談が多いという。「田舎暮らし虎の巻」(文化出版局)の著書がある佐藤彰啓さんは、「自治体は個々の暮らし方まであっせんしない。まずは目的を決めること。そうすれば行き先や物件は自然と決まる」と話す。

一方で、悲壮な覚悟で「永住」しなくても、都会とつながりを保ちながら往来する手もあると提案する。佐藤さんが経営する会社を利用して、田舎暮らしを始めた人の7割は、都会から2時間半以内の場所を選んでいるという。「移住の先輩に話を聞き、土地や風土を事前に知ることが大切です」

国も「交流居住」(総務省)、「2地域居住」(国土交通省)と銘打ち、田舎と都会を往来する暮らし方に注目している。総務省は、交流居住のタイプを五つに分類=図。各自治体の支援策をネットなどでタイプ別に紹介する取り組みを始めた。内閣府は4月に研究会を作り、各省庁と空き家活用や交通費の割引など支援策を検討。近く報告書を出す。ただ、ネットワーク協会の小泉事務局長は、「選択肢が増えるのはいいが、二重生活には費用がかかり、課題も多い」と話す。

私の場合

甘くない

都会でしか過ごしたことのない人が、どこまで田舎暮らしを理解しているのでしょうか。今の場所は不便さはないのですが、都会ほど人のかかわりが薄くなく、うんざりすることたびたびです。以前、夫の転勤先の小さな町では、もっと大変な苦労をしました。退職後、自給自足の生活を夢見たものの、過干渉に耐えられず都会に帰った人や、救急車が来るのに2時間かかって亡くなられた人の話も聞きます。田舎暮らしは甘くない。高齢であればなお、不便さを克服する体力や財力が必要だと思います。

(盛岡市 主婦 48歳)

働ける場を

昔、誰もが東京に出ようと思ったのは、いろんな物が東京に集中していたから。インターネットや衛星放送、通販などの普及で、それほど格差はなくなったと思います。一番大切なのは、仕事があるということでしょう。サラリーマンの私たちが田舎に行って、いきなり自給自足と言っても難しい。私たち世代の老後は、普通に暮らせる年金が出るかどうかも分かりませんし、仕事がないときつい。この条件が整えば、田舎暮らしをしてもいいという人は、もっと増えるのではないでしょうか。

(愛知県刈谷市 会社員男性 44歳)

さらに詳しく知るには

ふるさと暮らし情報センターはこちら
田舎暮らしに関するセミナーやイベント情報など
ふるさと情報館はこちら
田舎の物件紹介など
交流居住のススメこちら
総務省による交流居住の自治体の取り組みなどを紹介
UJIターン支援サイトこちら
UJIターンの情報などがあり、国土交通省が運営している。
オーライ!ニッポンこちら
農村、漁村との交流事業の情報などを紹介している。

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(更新日:2007年05月24日)

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