退職金を受け取った後の税金は、どうなっているのでしょうか。会社から源泉徴収票をもらったから、そのままでいいと思っていませんか? でも、退職した年には、会社で年末調整を受けられません。退職金の所得税がゼロだった人も、確定申告へゴー!
「会社では、『確定申告はいらない』と言われたのになぜ?」
疑問に思った人は、退職金の源泉徴収票を見てみよう。退職金は優遇されている。勤続年数が長いほど「退職所得控除」が多いため、課税のない人も多い。
だが、年途中に退職した人は給与収入もあったはず。この給与から源泉徴収されていても、年末調整はできていない。
代わりに利用できるのが、確定申告の機会だ。税理士の瀧田雅義さんは「原則、退職した人は全員、確定申告や税の相談に行った方がいい」と勧める。
翌年1〜3月が確定申告の時期。生命保険料や損害保険料控除、退職後に納めた国民健康保険料、配偶者の国民年金保険料などの控除を申告すれば、給与から天引きされていた所得税の一部が還付されることがある。控除が多くなることで、住民税が下がる可能性もある。
さらに、退職金から源泉徴収されている人は、退職金も申告すれば還付額が多くなるかもしれない。特に1〜3月など年始めに退職した人で影響が大きい。
退職金は、ほかの所得と合算しなくてもいい「分離課税」。だが、確定申告では、給与収入や年金収入と合算できる。合算後の所得から控除額を差し引き、税率をかけると……。所得全体にかかる税金が、分離した場合よりも減ることがある=図。給与だけでは、本来適用される所得控除を使い切れていないためだ。
所得控除とは、社会保険料控除や配偶者控除、生命保険料控除などのこと。
通常、給与で控除される。だが退職年のように給与所得が少ないと、控除枠が余ることがある。その残りを退職所得に使えば、合計では税額が低くなる。
それでもなお所得控除を使い切れず、退職した夫の所得より働いている妻の所得が高い場合は、子どもの扶養控除を妻に移すなどの方法も検討できる。
注意したいのは昨年退職した人だ。昨年まであった所得税の定率減税は、退職金の源泉徴収に反映されていない。確定申告で手続きをすれば所得税が還付される。一度も申告していない人は5年間(申告時に定率減税や所得控除を忘れていた人は1年間)、申し出ることができる。
また、今年は、所得税の一部を住民税に移す「税源移譲」があった。昨年退職した人は所得税の負担減を受けられないまま、住民税の負担が増えている。特例として、07年の所得税が全くなかった場合に限り、住民税を調整できる。住宅ローン控除を受けている場合も注意が必要だ。市区町村の窓口で確認しよう。
団塊世代を狙い撃ち? 定年を前に今年1月退職した。早めに仕事を探そうと思ったからだが、やはり簡単には見つからない。先月、住民税の納付通知書が届き、年間52万2500円という額に驚いた。初の失業手当がようやく支払われたばかり。給与所得がない中でアップされた住民税の負担は大きく響いている。政府の広報では、「トータルでの税負担額は変わらない」とうたわれているが、退職し収入のない人についての説明は一言もない。団塊世代の大量退職を狙い撃ちにした「かくれ増税」のように見える。
(横浜市 男性 59歳)
昨年簡易保険が満期になり、一時所得を申告した。すると今年度の住民税と国民健康保険料は20万円増えた。所得税は税源移譲前の税率で課税されたままなのに、住民税の負担増の影響を受ける。「税源移譲で負担は変わらない」という政府のPRは納得できない。
(東京都目黒区 男性 67歳)
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(更新日:2007年07月13日)
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