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財産編

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寄付するには
税控除対象は7つ 4割は「制度知らない」日赤調査

遺産は時に、親子やきょうだいの争いのもとになります。児孫のために美田を買わず。自分の判断で生前に、福祉や環境、教育など社会に広く役立ててもらうという方法もあります。志をお金に託す「寄付」は、かたちも様々。税金が還付される場合もあります。

※クリックすると、拡大します

東京都内の女性(74)は6年前、NPO法人の設立基金として1億5千万円を寄付した。

亡夫が長年保有していた株式が、株価急騰で多額の遺産になった。子どもと半分ずつ相続。当面、必要な資金を取り置いても余裕があった。「これ以上子どもに残すより、社会で役立てたかった」

約30年間暮らした街で、身近な政治や教育にかかわる市民運動をしてきた。その幅を広げる活動に使ってほしいと、年下の仲間に資金を託した。NPOは地域の人が集う場を作ったり、学習会を開いたり。資金を生かして他団体への助成も手がけ、「大満足です」と女性は笑顔をみせた。

財産を広く社会のために使ってほしいと思えば、寄付先は無限大にある。

ただ、所得税控除の対象になるのは、国や自治体、日本赤十字社をはじめ国指定の法人など、7種類に寄付したときに限られる=図。NPO設立のために寄付した女性の例は、対象外だ。

7種類のうち、「認定特定公益信託」は、寄付金として預けられた金を信託銀行が管理・運用して社会貢献に生かすもの。奨学金や研究助成、自然保護などを目的とする、特定の公益信託に認められる。自分の名を冠した「基金」の設立も可能だ。とはいえ、公益信託設立には億単位など相当な寄付額が必要で、個人には敷居が高い。

一方、認定特定公益信託の中には「募金型」もある。例えば、中央三井信託銀行は、自然保護やアジア諸国への支援など4種類を扱う。募金型なら金額は自由。こちらなら、個人も気軽に参加できる。「希望に沿う事業が見つかればお勧めです」と同行の担当者。

「特定公益増進法人」の代表格ともいえる日赤。寄付を収入源に災害救援や海外支援を行っており、昨年度は約182億円の寄付があった。

柱は、個人社員(会員)が納める社費(寄付)だ。だが日赤が4年前に行った意識調査では、所得税控除の制度を知らない人が、毎年社費を納める社員のうち42%を占めた。実際に、確定申告で必要な書類を添えて申請すれば控除対象になるはずの人のうち74%が、申請していなかった。「そもそも節税が念頭にないからでしょう」と日赤。

政党や政治資金団体に対する寄付は優遇されている。所得控除か税額控除のいずれか、自分に有利な方法を選ぶことができる。

一方、認定NPO法人は、70団体。NPO法人制度が始まって9年になるが、対象は全法人の0.2%にとどまる。

税の還付額は、所得額により変わる場合も。税理士の山上芳子さんは「家族で寄付するなら、誰の名義にすればよいか考えては」と話す。

私の場合

異父きょうだいの争い

私はきょうだいで1人だけ父親が違います。以前は普通に行き来をしていましたが、母に多額のお金が入ったのを機に付き合いを絶たれました。父は亡く、母は施設に預けられました。財産は母名義ですが、きょうだいの1人が権利書や印鑑を持っています。弁護士に相談しても「今は何の権利もない」と言われ、苦しんでいます。

(香川県 主婦 52歳)

遺言執行人を指定しないと

父が亡くなり、兄弟で遺産を相続しました。自筆証書遺言を残していたので、家庭裁判所で検認のうえ開封しました。預金が複数の金融機関にあったので、兄弟が手分けして手続きをし、1人が遺産の半分以上の金額を一時的に自分の口座に入れました。その1人は、遺言内容が不満で、口座にある遺産の分配を拒みました。裁判も大変なので、私が遺言書より少ない取り分を提示し、相続が完了しました。せっかく遺言書を残しても、遺言執行人を指定しておかないと、トラブルになると思いました。

(東京都 男性 60歳)

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(更新日:2007年08月03日)

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