老後の生活費に、公的年金だけでは不安――。そんな人は、生命保険会社の個人年金保険に入るのも選択肢の一つ。毎月または一括して保険料を払い込み、一定の年齢になったら、年金を受け始めます。リスクの高い商品もあり、自分の生活設計に合ったものを選ぶことが大切です。
個人年金保険は、生命保険会社だけでなく、銀行や証券会社の窓口でも販売している。各地の消費生活センターにあるパンフレットで比較検討もできる。
まず、自分が何歳になったころ、何のために必要なのかを考えたい。
「公的年金だけでは老後の生活費が足りない」「ゆとりのために上乗せを」という場合は、一生涯受け取るタイプを検討する。契約時に決めた年齢から生きている限り受け取れる終身年金と、死亡しても遺族が受け取れる保証期間(10年が多い)が付いた終身年金がある。現在は、保証期間付き終身年金が主流だ。
「定年後、公的年金が受給できる年齢まで必要」「元気な間だけゆとりある生活がしたい」など一定期間のつなぎのためなら、確定年金や有期年金がある。終身と同じように、保証期間付きのタイプもある。
タイプが決まったら、自分がどれだけリスクを引き受けられるかを考えよう。
個人年金の中には、予定通りの額を受け取る定額型と、株式や債券などで運用し結果次第で年金額が上下する変額型がある。利率が変わったり為替リスクを負ったりする商品もある。
リスクが高い商品は、長く運用できる若い世代や老後資金にゆとりがある人に向いている。時間や財産に余裕がないのに変額型にすると、必要な時に必要な額が手元にないことがある。
個人年金は02年に銀行窓口での販売が始まり、変額型の契約が伸びている。しかし、銀行で加入すると「リスクが高い」という認識が薄い人も多い。国民生活センターには、07年度に159件(3月10日現在)の苦情が寄せられている。
今年初め、国債を買おうと銀行に行った70代の女性は、「年金のような商品」と勧められ、よくわからないまま契約。後日、450万円分の変額個人年金だったと分かり、消費生活センターに相談した。退職金が入ったり定期預金が満期になったりした高齢者が「元本は保証されている」「利回りがいい」などと説明された例もあるという。
国民生活センターは「個人年金は受け取り開始年齢まで据え置き期間があり、途中で解約すると不利になる。そもそも高齢者が買う商品としてふさわしいのかどうか。理解できなければ断る勇気を」と助言する。契約は8日以内なら、クーリングオフできる。
生命保険文化センターは「余力があれば、40代から毎月かければ保険料も少なく税のメリットもある」と話す。保険料払い込み期間中は生命保険料控除か、要件によっては個人年金保険料控除があり、税負担が軽減される。
55歳ごろから個人年金をかけていた。当時は確定申告で個人年金保険料控除5万円が使えたが、いつの間にか「この年金は生命保険料控除です」と変わった。現在は、退職金をもとにさらに個人年金を増やして年190万円を受け取っている。だが、これには所得として税がかかるため、税額に応じて国民健康保険料や介護保険料が高くなってしまう。定期預金なら利子は源泉徴収され、確定申告時の所得にならない。個人年金にしたのが、間違いだったのだろうか。
(京都市 女性 71歳)
03年ごろに企業型確定拠出年金を導入した会社を、58歳8カ月で早期退職。個人型確定拠出年金へ移った。短期間だったため、掛け金残高が30万〜40万円しかなく、脱退して一時金で受け取りたかったが、できなかった。受給は早くて63歳からとのことで、4年間寝かせておくしかない。定期預金で運用しているが、利率は1%に届かないうえ、管理手数料が年5千円以上かかる。結局、4年間で2万円強目減りした年金を受け取るしかない。まるで手数料泥棒にあっているようなものだ。
(神奈川県 男性 60歳)
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(更新日:2008年03月24日)
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