要介護認定の結果が届いた。でも、思ったより要介護度が低く判断されていたり、調査を受けた後で体の状態が変わったり。そんな時は、どうすればいいのだろうか。
「骨折して歩けなくなった」「認知症が進んだ」。高齢者は急に心身の状態が変わることがある。認定の有効期間は最初は6カ月、2回目からは12カ月が原則だが、いまの要介護度の区分(軽い方から要支援1〜2、要介護1〜5)が当てはまらないと感じたら、市区町村の窓口で「区分変更」を申請する。
手続きは、変更理由を書く以外は新規申請の場合と全く同じだ。申請から30日以内に結果が通知される。
区分変更は、心身の状態が悪くなった時により多くのサービスを介護保険で利用できるよう申請する人が多い。しかし、軽い区分を求める例もある。区分が重くなると、利用できるサービスは増えるが、自己負担額も増え、施設に入りにくくなることもあるためだ。
変更が認められると、申請日にさかのぼって新しい要介護度が適用される。ただ、希望と逆の結果になる可能性もある。変更申請は原則として取り下げられないので、注意が必要だ。
「状態が変わらないのに要介護度が下がった」「歩けないのに要介護2なのか」など、認定結果に納得できない時はどうするか。
一つは「不服申し立て」で、都道府県の介護保険審査会に、市区町村の認定取り消しを求める。結果を知った翌日から60日以内に審査請求する。手続きは市区町村の担当課でもできる。
請求できるのは、要介護認定と、保険料などの徴収金についての訴えだけだ。対象外と判断されると「却下」。対象になると、医師らの専門調査員が要介護度を決めた時の訪問調査員や主治医、認定審査会などに聞き取りするなどし、請求を認める「認容」か、退ける「棄却」か裁決する。
認容なら元の認定が取り消され、市区町村で改めて認定手続きをとる。介護保険審査会の裁決に拘束されるため、その趣旨に反した認定が出ることはない。一方、棄却となって納得できなければ、裁判所に処分取り消しを求める訴えを起こすことができる。
もう一つの対処法は「区分変更」だ。不服申し立ては裁決までに2〜6カ月程度かかるため、本来は心身の状態が変わった場合の手続きである区分変更を先に申請するか、両手続きを同時に行う人が多い。
立教大の服部万里子教授(高齢者福祉論)は、認定結果に納得できない場合、「まず本人の心身の状態がどう評価されているかを確認して」と勧める。市区町村の窓口や介護プランの相談に乗ってくれるケアマネジャーに問い合わせて、訪問調査の調査票や、主治医の意見書を見せてもらう。
「心身の状態がきちんと把握されていなければ、区分変更を申請して訪問調査などを再度受けるといい。きちんと把握されていて出た認定に納得がいかなければ、都道府県の介護保険審査会に不服を申し立てるのがいい」
義父の認定区分が要介護1から要支援1に下がった。入浴介助が週2回から1回に減って困るので、すぐに区分変更申請をしたら要支援2になった。訪問調査員の経験や本人、立ち会う家族らの受け答えによって、結果が左右されると実感した。お年寄りはできないことも「できる」と答えてしまうので、家族はプライドを傷つけないようにしながら、正しく認定してもらえるよう板挟みになる。調査の前日には義父は眠れないほど緊張し、家族も本を読んで対応を勉強して備えている。更新の度にこんな思いをしている。
(大阪府 ヘルパー 54歳)
義母を在宅で介護している。訪問介護サービスを午前と午後、利用していたが、この春、事業所から「(我が家の)近くに利用者がいない」という理由で、午後の利用を断られた。訪問するのに効率が悪いということらしい。ケアマネジャーが別の事業所を探してくれたが、希望の時間に来てもらうことはできない。役所には「近くに利用者がいないという理由で、サービスを断るのはおかしい」と言われたが、午前の利用は続いており、関係を悪化させたくないので何も言えない。
(岡山県 女性 45歳)
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(更新日:2008年04月18日)
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