要介護認定の結果が要介護1以上だった場合、介護サービスを受けるならケアプランを作る必要がある。メニューを組み立てて、自分らしく暮らすための大事な設計図だ。どういう考え方をすればいいのだろう。
自宅でヘルパーに手伝ってもらい入浴したり、デイサービス施設を利用したり。必要な介護サービスを選び、いつ、どれくらい使うか計画を立てる。これがケアプランだ。要介護度に応じて介護保険で使えるサービスの量は異なる。範囲内なら自己負担は1割、超えた分は全額負担になる。
ケアプランには(1)本人や家族の意向や援助の方針(2)解決する課題と長期・短期目標、利用するサービスや事業所(3)1週間の利用スケジュールなどを書き込む。プランを作らないと、いったん全額自己負担になってしまうので注意が必要だ。
個人でも作れるが、公的な専門職「介護支援専門員」(ケアマネジャー)に頼むのが一般的だ。市町村の事業所一覧からケアマネを選ぶなどし、自己負担なしで作れる。全国マイケアプラン・ネットワークの島村八重子代表は「介護保険は自分で選び契約する制度で、自己責任が基本。中でもケアプランは晩年の暮らしを左右する大切な設計図です。お任せではなく、自分らしい暮らしとは何か、事前にじっくり考えて伝えることが大事」と話す。
本人が意思を伝えられない状態なら、家族が過去の生活を振り返りながら希望をくみ取る。具体的なサービス案でなくても、どんな暮らしを送りたいのかイメージを伝えるだけもいい。
ケアマネに、介護サービス以外で頼れる手段があるか伝えるのも大切だ。ヘルパーを利用したために、地域とのつながりが切れてしまうこともある。母の介護をしている島村さんは、近所付き合いを大事にしたい本人の希望を生かしデイサービスには行かず家の前にベンチを置き、みんなが集まれる場にしたという。
「きらめいとケアプランセンター」の柴山志穂美所長は(1)いつからどうして要介護状態になったのか(2)現在の困りごととその理由(3)もとの暮らしぶり、を伝えるようにアドバイスする。
介護保険は、心身の現状維持や改善を目的としている。同じ「掃除ができない」という困りごとでも、足の機能の問題か、家族関係や環境の変化によるものか、人それぞれ原因も解決法も違う。「欲しいサービスを伝えるのは簡単だが、それでは解決にならない」
契約前の「サービス担当者会議」は法律で義務づけられている。形式は自宅に集まってもらうなど様々。日程が合わなければ事業者への照会ですませられることもあるが、自分でプランの狙いを確認し、関係者に直接意見を伝えられる貴重な機会。積極的に利用したい。
こうして最終案を確認して事業者と契約を結ぶ。プランは一度作れば終わりではなく、月1回ケアマネ(自己作成は自分)が評価し、心身の状態やニーズが変われば作り直す。意見や要望をケアマネにきちんと伝えよう。
ホームヘルパーになり5年になる。3日の投書のように仕事の大半は生活援助の掃除。ヘルパーとお手伝いさんの区別がつかない利用者もいる一方で、もっと手助けが必要だと思う人に行き届いてないこともある。要介護認定の時、利用者に最も密に接しているヘルパーの意見を聞かれることはなく、ケアマネの中にも様子を全く聞いてこない人がいる。実態に即した認定やケアプランになっていないと感じることも多い。本当に必要な人には大切な制度なのに、このままでは立ちゆかなくなるのではないかと心配している。
(大阪府 ヘルパー 42歳)
要介護3の義父の介護を、夫と2人で1年間続け、ストレスから体調を崩してしまった。ケアマネさんに長期のショートステイができる所をすぐにでも探してもらい病院に行きたかったが、見つからず、最終的には友人や知人からの情報で、自宅から1時間離れた有料老人ホームの中にあるショートステイを使えることになった。今すぐして欲しいことがしてもらえず、夫と2人で苦しみ、やっと通院できたのは10日後だった。やりきれないと思った。本当に必要なことをいつでも安心して受けられる介護を願います。
(群馬県 主婦 54歳)
来週も「介護保険」がテーマです。どこまで支えてくれるのか。利用した体験や意見をお寄せ下さい。ファクス(03-5540-7354)やメール(sonaeru@asahi.com)でも投稿できます。住所、名前、年齢、職業、電話番号を添えて下さい。
(更新日:2008年04月25日)
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