介護が必要になったとき、どんな事業者がいてどんなサービスを提供しているのか地域に密着した情報が欲しい。それにこたえるのが「ケアマネジャー」や「地域包括支援センター」だ。どんな仕組みでどう利用すればいいのだろう。
介護保険サービスを受けるとき利用者と事業者をつなぎ、自立した高齢期を送るための「水先案内人」になるのがケアマネジャー(介護支援専門員)だ。「ケアプラン」作りから事業所との連絡調整、給付の手続き代行など、様々な役割を担う=表。春に始まった後期高齢者医療制度では、退院後の情報を共有する1人として医療とのつなぎ役にもなる。
ケアマネは利用者が選んで契約し、プラン作りから経過まで見続けてもらう。心強い味方にしたいが、日本介護支援専門員協会の木村隆次会長は「要望を的確につかみ自立への支援ができるかどうかは匠(たくみ)の技。資質の差はある」という。
ケアマネの試験には、資格や経験に条件があり=表=、過去10年で約43万人が合格しているが、協会によると実働は推計9万人。だいたいは「居宅介護支援事業所」や入所施設などに属していて、各事業所と契約する。
ケアマネがいる事業所の一覧は自治体の窓口などにあるが、どんなケアマネかまではわからない。自分の事業所のサービスを過剰につけたり、利用者の言いなりで自立につながらなかったりすることが問題になることもある。プランの理由や根拠を説明してもらい、納得できるかが大事なポイントだ。
木村会長は「『全国介護サービス情報公表』を利用しては」という。ネットで検索でき、事業所にいるケアマネの人数、資格、経験年数などの基本情報がわかる。医療系や福祉系など得意な分野を知る手かがりになる。看護師で「きらめいとケアプランセンター」の柴山志穂美所長は「医療措置や終末期ケアが必要な場合は、医療系の資格や経験がある人が向いている」という。主治医に紹介してもらうのも手だ。介護保険だけでなく、配食サービスや巡回相談員など地域の情報をたくさん持っているかも目安になる。
口コミも参考になる。ただ、全国マイケアプラン・ネットワークの島村八重子代表は「人により相性は異なる」と注意を促す。不満があったり合わなかったりしたら、ケアマネは代えることができる。自己負担もない。「ケアマネと利用者は対等。遠慮しないで」
利用者にとってもう一つの相談窓口が「地域包括支援センター」だ。介護のあらゆる相談や問題を1カ所で解決できる窓口にと、06年施行の介護保険法改正で新設された=図。人口2万〜3万人に1カ所が目安で、この4月には市町村など全保険者に作られた。
医療分野や、民生委員など地域の様々な団体とのつなぎ役にもなる。ただ、地域によって設置場所や取り組み方はまちまち。積極的に利用して、住民の力で動かしていくことも大事だ。
母の介護をしているが、かぎを握るケアマネが頼りない。サービス担当者会議をするからと、リハビリ関係者らが一度に訪問し、書類内容を母にいちいち読み上げさせた。事前に流れを知らされておらず、母はぐったり。その割には、入院の経緯や薬、現在の病状などが事業者に全く伝わっておらず、ケアプランも希望のままサービスを割り振っただけ。月1回の訪問で状態が変化しても見直しはない。役所に相談すると、変更可能とのことで検討中だ。近くだからと選んでしまったが、判断する情報がもっと欲しい。
(東京都 無職・女性 48歳)
50代独身の叔父が末期がんで自立生活が困難に。退院後に介護できる家族がおらず、介護保険が使えないか病院に相談したが、「無理」ときっぱり。あきらめずに動くと地域包括支援センターを通して要支援となり、週2回のヘルパー援助が可能になった。相談に乗ってくれたのは、祖母をみていた看護師資格のあるケアマネさん。65歳未満でも一定要件で保険適応できるなどよく勉強していてフットワークが軽く折衝できる能力があり助かった。質の高いケアマネを見つけることが充実した介護への第一歩だと思う。
(北九州市 主婦 39歳)
(更新日:2008年05月02日)

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