介護が必要になってもわが家の暮らしは何ものにも替えがたい。そんな人たちに、介護保険制度は様々な在宅サービスを用意している。ただ、介護の必要度で、利用できるサービスの量に限度がある。どんな点に注意すればいいのだろうか。
自宅で受けられる介護保険サービスは「訪問」「通所」「短期入所」「その他」の四つに大きくわかれる=図。このメニューから必要なサービスを選ぶ。
「訪問介護」には、ホームヘルパーに入浴や食事などの世話をしてもらう「身体介護」と、掃除や洗濯、買い物などを手伝ってもらう「生活援助」がある。
「通所」は施設に通って受ける日帰りサービス。入浴や食事をする「通所介護」、リハビリをする「通所リハビリテーション」などがある。「短期入所」は特別養護老人ホームなどに数日泊まり介護を受ける「短期入所生活介護(ショートステイ)」など。
ケアマネジャーに自分の希望や身体の状況を伝えながら、サービスを生活に組み込む。ただ、好きなだけ使えるわけではない。
介護保険サービスは「単位」があり、地域によって1単位の単価が「10円〜10.72円」と決められている。単位数と単価をかけたのが、サービス料金だ。
たとえば30分以上1時間未満の「身体介護」は402単位。1単位10円の場合、4020円となる。
しかし、利用者が負担するのは1割の402円だ。9割は介護保険から出る。
料金は施設の規模や要介護度によっても変わる。1カ月の利用者が延べ300人を超える「通常規模型」と呼ばれる施設で、3時間以上4時間未満の「通所介護」を利用した場合、要介護1の人は1単位10円で3810円だが、要介護5だと6050円になる。
こうした料金の合計が、要介護度で決められた限度額=図右下=の範囲におさまるように選ぶ。超えると、その分は全額自己負担になり急に負担増になるので要注意だ。ただ低所得者など一定条件に当てはまる場合、市区町村が補助する制度があることが多い。
費用以外に気をつけるべきことは何だろうか。
横浜市で「ケアプランナーみどり」を運営するケアマネジャーの原田保さんは「自立支援という目的を念頭に入れて、サービスを選んで」と話す。たとえば、同居家族がいる場合、ヘルパーに家族の食事作りは頼めない。「プラン作りの際、頼めるものと頼めないものをケアマネに説明してもらってほしい」
今ある地域との関係を生かした方がいい場合もある。「ごみ出しを手伝ってくれる近所の人が、安否確認の役割を果たしていることもある。ここに介護サービスを入れるより、そうしたサポートは残したほうがいいと思います」と原田さん。
ケアプラン作成後も、実際の生活で必要なかったり、逆に必要になったりすることもある。「様子を見ながら、ケアプランを変えていく発想も大事です」
介護保険では、ケアマネが所属事業者のサービスを必要以上に利用者に勧めてはいけない。だが、私が所属する事業所を経営する法人からは「ほかの法人の事業所を紹介するな」と言われ、利用者にあったサービスより法人の経営が優先される。ケアマネが中立公平に利用者第一のケアプランをたてるためには、独立型の経営をしていくべきだと強く感じる。来年度の介護保険法の改正で、少しでもケアマネの介護報酬が上がり、1人でも多くの独立型のケアマネが増えることを祈っている。
(山口県 ケアマネ 40代)
(更新日:2008年05月09日)

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