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介護保険 12

多様化する有料ホーム
「住宅型」サービス、よく確かめて

有料老人ホームは最期まで介護してくれるが、以前は数千万円の入居一時金が必要で、「富裕層向け」というイメージがありました。最近は入居金ゼロのホームも登場し、サービスも多様化しています。より慎重に見極める必要がでてきました。

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厚生労働省の「有料老人ホーム」の定義は、06年4月に変わった。それまでは定員10人以上で、食事などの生活援助を提供する施設。改正後は人数要件がなくなり、食事や介護など何らかの高齢者向けサービスを提供する施設となり、都道府県への届け出が必要になった。対象を広げ監視を強める狙いがある。

1982年に設立された全国有料老人ホーム協会の五十嵐さち子事務局次長は「定義が広がり過ぎ、有料老人ホームとはこういうものだという説明がしにくくなった」と話す。施設選びは、パンフレットを集めたり見学したりして施設から直接得る情報と、行政に届け出られた情報を見比べながら実態を把握する。都道府県は各施設の介護サービス情報を公表しており、ホームページで検索できる。

有料老人ホームで確かめておきたい点は介護保険サービスの提供方法だ。大きく「一般型」と「住宅型」がある。

一般型は、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受け、介護保険サービスを施設の職員が提供する。入居者3人に対し看護・介護職員を1人以上置いており、職員1人が複数の入居者の食事を手伝ったり移動に付き添ったりする。以前からの施設にこの型が多く「介護付き」「ケア付き」と名乗れる。

一方、いま増えているのは住宅型だ。施設職員が提供するのは食事や簡単な介護だけ。介護保険サービスは自宅で受ける時と同じように、入居者が外部のケアマネジャーや事業者と契約する。必要なサービスを自由に選べる利点があるが、利用時間は限られる。入居者がそれぞれ依頼するので、例えば1人のヘルパーが複数の入居者を同時に介助することはできない。

介護保険の給付を抑えたい都道府県は、費用がかかる一般型の増設を認めたがらない傾向がある。そこで、住宅型としつつ一般型に近い運営をしている施設もあるようだ。例えば訪問介護事業所などを併設し、そこからヘルパーらが訪問するかたちにする。実質的には施設職員のように働いていることもあるという。

この場合、介護保険でまかなうサービスと、施設独自のサービスとの区別がつきにくい。介護保険の自己負担分と施設の利用料が、それぞれどのサービスと対応しているのかは要確認。サービスの質もチェックする必要がある。

有料老人ホームの情報提供をしているタムラプランニング&オペレーティング(東京都)の田村明孝社長は「一般型のニーズは高いのに、それを認めないから住宅型がいびつな『発展』をしている。しかも行政の監視が十分に行き届いていないので、利用者がよく確かめながら選ぶしかない」と指摘する。

私の場合

なぜホームを増やさない?

2年前から素晴らしい有料老人ホームに妻と暮らしている。自宅で介護保険を使って生活していたが、ここへ来てびっくりするほど楽しい集団生活が待っていた。新しい親友もでき、親切で優しいスタッフのサービスに涙を流したこともある。ところが厚生労働省はこれ以上、介護保険サービスを施設職員から受けられる「特定施設入居者生活介護」のホームは増やさない方針だそうだ。なぜだろうか。こうしたホームの需要は高まるのは間違いないのに、どうも納得できない。もっと効率的に増やす方法はあるはずだ。

(東京都 男性 99歳)

(更新日:2008年06月20日)

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