朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ヘルプ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

備える SONAERU 年金はいくら?ついのすみかは?定年後の暮らしに必要な情報をお届けします。

  • 備えるTOPへ

人生のエンディング:8

終末医療:1 どこでどう迎えるか

あなたは最期をどこでどのように迎えたいですか? 終末期は誰にでも訪れます。自分自身も家族も、納得できる最期のために、過ごす場所や受ける治療など、考えておいた方がいいことがあります。

※クリックすると、拡大します

終末期とは何か。全日本病院協会は「治療効果が期待できず予測される死への対応が必要となった期間」とするが、死まで何カ月など、はっきりしているわけではない。がんの末期のように余命を比較的予測しやすい場合もあれば、脳血管疾患の後遺症など数カ月から数年の場合もある。

治すことを第一の目的としなくても、緩和ケアや経管栄養、人工呼吸器など、医療の選択肢は多い。判断能力を失う前に、自分が何を希望するかしないか、事前に意思を示しておこうという人が増えている。

きっかけの一つは富山県の射水市民病院の事例。一度着けた末期がん患者らの人工呼吸器をはずした医師2人が殺人容疑にあたるとして書類送検された。問題が表面化した06年、日本尊厳死協会の会員が急増し、現在約12万人。協会の宣言書には「不治の状態で死期が迫っていると診断された場合は延命治療はお断りします」との文言がある。

医師や病院でつくる「レット・ミー・ディサイド研究会」は緩和ケアや心肺蘇生などについての「事前指定書」を広げようとしている。独自に文書を作り、患者に治療の希望について確かめる病院も増えている。

しかし、こうした意思表示も、家族が知らないと、状態が急変した時など生かされない場合がある。

「今日はめでたい日だからリビングウィル(生前の意思表示)について話し合おう」。埼玉県富士見市の稲子俊男さん(73)は昨年の正月、2人の子どもが自宅に集まった時に、そう切り出したという。

20年前に直腸がんを患い、手術をした。入院中に目にしたたくさんの管につながれた患者の姿が忘れられず、退院後、尊厳死協会に妻と入会した。しかし子どもにも一度きちんと話しておくべきではないかと思い、宣言書のコピーを渡し、意思を伝えた。

国や学会はルール作りを進めている。厚労省検討会は昨年5月、延命治療の開始・中止は患者本人の意思を基本とし、チームで判断することを柱とする指針をまとめた。日本救急医学会も延命治療を中止する手順を示した指針を作った。

一方で「書面の意思が現在の意思と同じかわからない」「医療費抑制の狙いがある」との批判もある。

2割に満たなかった在宅での死が最近徐々に増えているが、厚労省が病院から在宅死へ誘導している、と日本福祉大大学院の近藤克則教授は指摘する。「在宅死を選べること自体は大事だが、問題は『どこで』より『ケアの質』だ」。質の高い終末期ケアの条件として、(1)本人・家族の明確な意思表示(2)介護力や周囲のサポート(3)緩和ケアなど十分な医学的ケア(4)それらを結ぶマネジメント、の四つをあげる。どうしたら実現できるのか、次回から考えていきたい。

人生のエンディング:9へ

私の場合

家族に手を握られて

「もうこの病棟ですることは何もありません。緩和ケア病棟に」と言われた時、がんで胃を全摘した夫は「家に帰りたい」と言いました。がんセンターのコーディネーターに在宅医療のスタッフをそろえて頂き、退院。医師は24時間態勢で「具合が悪い時はいつでも往診します」と言われ、心強く感じました。家族の願いは「痛みを取り除いて」の1点。皮膚や口からの痛み止めでは効かなくなり、皮下注射で入れる処置もしてくれました。先月末、意識がなくなってから半日後、家族に手を握られて亡くなりました。71歳でした。

(千葉市 無職女性 64歳)

病室を家のように

3年前、父を喉頭(こうとう)がんで亡くしました。17年間の闘病生活を送った父は最初食道がん末期と言われ、手術で声帯摘出、気管切開したために声を失いました。しかし奇跡的に回復、その後入退院を繰り返しながらも趣味のドライブや旅行で生活を充実させ、前向きに病気と闘っていました。最期は病院でした。鎮痛剤で意識がもうろうとしている中、家に帰りたいと言い、家族も最期を家で迎えさせてあげたかったのですが、状態が悪く実現できませんでした。それでも病室を家のように家族全員で温かくするよう努めました。

(東京都葛飾区 看護師 32歳)

(更新日:2008年10月17日)

次のページへ
備えるTOPへ

関連ページ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。