
大相撲で記録が残る昭和以降の最高齢力士で、初の国立大出身として話題を集めた東序二段103枚目の一ノ矢(46)=鹿児島県徳之島出身、本名松田哲博=が、九州場所13日目、年齢的な衰えを理由に引退した。今後は所属する高砂部屋のマネジャーとして師匠(元大関朝潮)を支える。
まだ観客もまばらな午前11時過ぎ。ファンの歓声と拍手に送り出されて、最後の土俵に上がった。相手は20歳の佐藤。突き放したかったが、左を差されて寄り切られた。今場所は4勝3敗で終了。通算1002番目の取組だった。満足そうに一礼して花道を下がり、「最後だから、もう少し土俵にいたかったが、しょうがない」と笑顔を見せた。
物理学を専攻した琉球大で相撲部を創設。プロにあこがれ、83年九州場所で初土俵を踏んだ。最高位は東三段目6枚目。序二段で2度優勝したが、幕下には上がれなかった。それでも「相撲は科学。やればやるほど面白い」と角界から身を引く気はおきなかった。朝青龍の入門の際には角界の初歩から教えた。相撲協会で初となる部屋のホームページも開設した。
父が今年7月に他界したことも引退へのきっかけになった。来年2月には断髪し、結婚式を挙げる。「きょうで区切りをつける。力士になって良かった。土俵で相撲の奥深さと耐えること、我慢することを学んだ」。公称173センチだが、実際は165センチ。体重100キロ。休場は父の葬式に出た名古屋の3日間を含め、わずか6日だった。
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