宇宙飛行士3人を乗せて初めて月を回ろうとする歴史的な使命を帯びた米宇宙船アポロ8号は、21日午前10時46分(日本時間22日午前0時46分)、月へ向かう軌道に乗った。ボーマン船長から、笑い声をまじえて「飛行はすべて順調に進んでいる」と元気な報告があった。アポロ8号は、米東部時間で24日早朝(日本時間で同夕)、約36万キロかなたの月に接近し、月の裏を回って地球に戻ってくるが、計画では月に接近したところで減速して、月を回る軌道に乗る予定である。
人間打ち上げに初めて使われた巨大なサターン5型ロケットは、秒読みが終わるとともに、ものすごい炎と煙と、ごう音を吹き出し、3000トン近い巨体をゆっくり持ち上げ、次第に速度を増しながら、あとにくっきりと白い雲のかたまりを残して、澄みわたった大西洋の上空に消えていった。
●アポロ8号が無事帰還
人類初の月周回飛行をやりとげた米宇宙船アポロ8号の3飛行士は、27日午後0時20分(日本時間28日午前2時20分、ヘリコプターで回収母艦ヨークタウンの甲板に降り立った。3人はうれしそうな笑顔を見せていた。ジョンソン大統領はホワイトハウスから3人の偉業をたたえる言葉をおくり、ソ連からもホットライン(直通通信線)で祝辞がきていることを伝えた。3飛行士は「朝食に何を食べたいか」と聞かれて「ビスケットとステーキと卵」と答えたが、これは3人が出発前にとった食事とまったく同じである。
アポロ計画の責任者フィリップス中将は「今度の使命は100%以上達成されたといえる。月着陸への大きな前進だ」と、日ごろの慎重さに似合わない表現で、アポロ8号の成功をたたえていた。
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