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1972年ミュンヘン大会


陸上
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陸上男子100メートル、米2選手が競技開始時間間違いで失格


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陸上男子100メートル決勝。ソ連のワレリー・ボルゾフ選手が10秒1で優勝、この種目でソ連に初の金メダル。2位はテーラー選手(米)、3位ミラー選手(ジャマイカ)

注目の陸上男子100メートル予選は、アメリカの「9秒9コンビ」のレイ・ロビンソン、エディ・ハートが楽に1位でゴールイン。準々決勝への関門をパスしたが、準々決勝には両選手とも姿を見せず失格。五輪史上例を見ない珍事となった。

米のホープである2人は、もう1人の米100メートル選手ロバート・テーラーとともに、コーチのライト氏から「次の競技開始は午後7時」と言い渡されていたという。だが、プログラムにのった開始時間は、午後4時15分だった。

3人は事情を知らぬまま、「今から行ったら早すぎる」と話ながら歩いて競技場に向かう途中、テレビスタジオで100メートル競技の場面を見たという。午前中の予選の録画だと思っていたところ「中継放送だ」と言われてびっくり。テレビ局の車でかけつけた時は、ハート、ロビンソンの出場する組はすでに競技が終わり、あと組のテーラーだけかろうじて間に合った。テーラーは、優勝候補の1人ワレリー・ボルゾフ(ソ連)らと一緒に走り、ボルゾフは10秒07、テーラーは10秒16で準決勝に残った。

トレーナーの1人は午後3時ごろ、ロビンソンが足のひきつりの手当てを受けている部屋にはいったら、別のトレーナーとロビンソンが次の競技までに筋肉をゆるめられるかどうか話していて、ロビンソンは「大丈夫だろう。6時半まで走る必要はないから」といっていたという。

ミュンヘンのスケジュールは24時間表記が使われ、「ロビンソンの走る時間は16:15、ハートは16:20、テーラーは16:25」と書いてあり、選手かコーチが思い違いをしたことも考えられる。この手違いについて、ライト氏は「私の間違いだった。それ以上は何もいいたくない」と語った。

陸上100メートルは米の得意種目で、過去8回の大会中7回優勝をさらっており、今回もハート、ロビンソン、ボルゾフの3人が「金」の最有力候補とみられていた。ライト氏は「ハート、ロビンソンに走る機会を与えて欲しい」と訴えたが、却下された。

決勝ではボルゾフが10秒1で金メダルを獲得。3人目の米選手テーラーは銀メダルに終わった。

(1972年8月31日、9月1日)
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