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ノーベル賞作家の川端康成氏(72)は16日夜、仕事場に使っていた逗子市内のマンションの自室で、ガス管を口にくわえ、自殺した。遺書はなく、原因については関係者の多くも首をかしげているが、川端氏は先月盲腸の手術をしたあと健康がすぐれなかったといわれ、最近同氏に会った人たちは「健康上の理由としか考えられない」としている。川端氏は一貫して日本の伝統美を追求し、「日本人の心の精髄を描いた作家」といわれており、日本はもちろん国際的にも注目されていた人だけに、突然の自殺は内外に強い衝撃を与えている。
川端氏はこの日、午後3時すぎに、同マンションに姿をみせ、仕事場にしている自室にはいった。午後9時すぎ、同室付近でガスのにおいがするのをマンションの人が発見し、管理人に連絡。管理人が川端氏の部屋にいってみると、カギがかかっているうえ、中からクサリがかけてあった。
近くの部屋を調べたうえ、ガスもれが川端氏の部屋とわかったので、ちょうど訪ねてきた川端宅のお手伝いと一緒にクサリを切って中にはいると、黒っぽいズボンにガウンを着た川端氏が、浴室に近い3畳間のフロアにガス管をくわえて倒れていた。すぐに110番に急報、市内の病院医師がかけつけたが、川端氏はすでに死んでいた。
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鎌倉市内の川端邸は、4年前のノーベル賞受賞が決まったあのはなやいだ夜があったことがウソのように、沈痛な空気に包まれた。悲報を知った文壇の弔問客が次々に川端邸を訪れた。真っ先に石原慎太郎氏がかけつけ、林房雄氏らも悲しみの色を隠せない。
川端氏死亡のニュースは、閑静な街にすぐ広まった。近所の人たちは「本当に、あの川端さんが……」と、信じられない様子。同邸の隣の住民は、「ニュースで知って驚いた。2、3日前、和服にゲタばきの元気な姿を見かけたのに……。ノーベル賞受賞の時には外国人の訪問客もたくさん見えられ、先生は私の庭に咲いている菊の花をくれ、といわれては外国人の方に贈られていました」と話していた。





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