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柔道
五輪無差別級で初の金 上村春樹が優勝 |

大詰めを迎えた大会第15日、柔道無差別級で上村春樹(旭化成)が、準決勝で強敵のチョチョシビリ(ソ連)を破って勢いに乗り、決勝でもレムフリー(イギリス)を寄せ付けずに快勝。柔道が五輪種目になって以来、無差別級で初めて金メダルを手にした。
モントリオールの柔道は「四転」したという。初戦、重量級の遠藤の敗北でショックを受け、二宮、園田の2連勝で大喜び、南の敗北はならくの底。そして無差別をとったこの日、「やっと肩の荷がおりました」と醍醐監督、岡野コーチらは最後を笑顔でしめくくった。
本家柔道といいながら、東京五輪以来の日本に劣等感みたいなものがあった。無差別級はなんといっても「実力世界一」を決める。「パワーが支配する柔道に変わってから、無差別級はもう日本の手が届きそうもない」と悲観論もあった。それを上村が吹き飛ばした。
準決勝でチョチョシビリを破った時点で、日本選手団には明るい空気がみなぎっていた。夜の決勝戦に備えていったん選手村に引きあげる上村は「まだまだ、もう一番ありますからね」。醍醐監督も「みなさん、あの判定を、どうごらんになりましたか」と集まった報道陣に逆に問いかける余裕をみせた。ポイント柔道にさんざん泣かされたこの大会で、ポイントの「先取り作戦」の成功が、何よりもうれしいようだった。
童顔の上村だが、気だけは強い。2回戦、パクと向かい合った上村は、恐ろしいほどの目つきでにらみつけた。4月の日本選手権で、怪童山下泰裕が同じようににらみつけられてすくんでしまったあの「目」である。
チョチョシビリ戦。上村は先手の技を仕掛けた。怪力のチョチョシビリは、裏投げの大技はあるが、じっと待ち構えるタイプ。積極的に攻めてくることはない。それにこの大会、均衡した試合では決まって技の仕掛け数が重視されている。「作り」から「掛け」と、柔道の基本はかげがうすいものになっている。
上村の作戦はまんまと的中した。チョチョシビリのパワーは一度も出せずじまい。「金メダルは日本とソ連で3個ずつ分けよう」と昨年、ソ連のアンドレアノフ監督は岡野コーチに言った。その夢も破れ、無念のアンドレアノフ監督は天を仰いだ。表彰式のあと、金メダルをオモチャのようにクルクル手でもてあそんだ上村。待望の「世界一」は意外にあっさりころげ込んだ。
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