|
|
陸上競技
デッカー転倒、バッドと接触 女子3000、意外な結末 |
世界チャンピオンのメアリー・デッカー(26)とはだしの天才少女ゾーラ・バッド(18)による熱い女の対決、とうたわれた五輪初種目の陸上女子3000メートル決勝は、レース途中、ともにトップを狙って譲らず、デッカーがすぐ前を走るバッドの大きく横に動いた左足につまずいて転倒、バッドも7位になるなど、予想外の結果となった。
デッカー転倒、レース放棄の瞬間、スタンドを埋めた約9万人の大観衆は息をのんだ。それまでの歓声が一転、不満を表す「ブー」の声に変わる。テレビ中継は、優勝したマルチカ・プイカ(34)はそっちのけで苦痛に顔をゆがめるデッカーの表情を大写し、後味の悪いレースとなった。
レースは、デッカーが女王の貫録十分に、他の11選手を従え先頭に立ってスタート。そのまま2周3周と駆け抜けた。出遅れたバッドも懸命に追走して、ぴたりと2位につけた。さらに、スパートしてデッカーをかわし、トップへ。激しい気性の2人が、せり合う形となった。が、あと3周余り残した1700メートル地点の第4コーナーを出たあたりで、両者が近接し始め、外側を走るバッドの左足が大きく外側にけり出された次の瞬間、デッカーが前のめりに倒れ、フィールド内にころがり込んだ。苦痛に顔をゆがめ、涙をあふれさせるデッカー。バッドは一瞬振り返ったが、そのまま走り続けた。
レース終了まで、転倒したデッカーは、足を押さえ、おえつしたまま芝生にあお向けに横たわって動けなかった。駆けつけるコーチ。全員がゴールインしてから、両側から抱えられてやっと立ち上がったデッカーは、顔をくしゃくしゃにして、悔し泣きしながらトラックを去った。その後も、テレビの画面は、繰り返し、足をもつれさせるバッドとデッカーの姿を放映した。
デッカーは「ゾーラが私をひっかけた。私の前に切れ込んできたため、彼女を押すか自分が倒れるしかなかった」と泣きながら訴えた。
昨年の世界選手権大会で1500メートル、3000メートルの両方で世界チャンピオンとなったデッカーは、「必勝」を公言していた。大会前、バッドとの対決を聞かれ「彼女には大試合の経験がないでしょう」と、相手にしない話しぶりだった。それだけに、レース途中での転倒は、彼女を含めすべての人にとって意外な結果だった。
レースを終えたバッドも、青ざめた表情で力なく控室に消えた。レース後、バッドは記者団の前に姿を見せず、ショックの大きさを物語っていた。
※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。