日本銀行券の1万円札、5000円札、1000円札が、1日から一斉に新様式の札に切り替えられる。1万円札は1958年12月、5000円札は57年10月、1000円札は63年11月以来の改刷だ。旧札は今後も使用が可能だが、1年以内にはほとんどが新札に切り替わる見通しで、「聖徳太子」の時代も幕を閉じる。
今回のような3券種同時改刷は世界的にも珍しい。新1万円札の肖像に福沢諭吉、5000円札に新渡戸稲造、1000円札に夏目漱石とそろって文化人が採用されたことや、盲人用識別マークが初めて取り入れられているのも特色だ。日本銀行は3券種合わせて計22兆5000億円、36億枚の新札を用意し、午前9時から本店と全国33の支店、20の紙幣寄託金融機関から一斉に払い出す。
新札の特色の一つは、国際的傾向にならって全体に小型になっている点。3券種とも縦が7センチ6ミリに統一されたのも特色で、自動販売機などで使用するのに便利なように配慮されている。また、新札発行に伴って全国の金融機関で現金支払い機(CD)や現金自動預け払い機(ATM)が改造され、国鉄も約6億円かけて計4100台の自動券売機を仕立て直した。全国にある約30万台の紙幣使用の自動販売機のうち、約8割が、新札使用可能なように調整済みという。
偽造防止技術として注目されるのは、カラーコピーができないよう二種類の特殊インキを使っている点。コピーの光を通して複写すると、自然光の下での色が再現できないような仕組みになっている。また、人物像では1ミリ幅に十一、二本の線を彫り込むなど超細密凹版印刷になっており、「偽造防止の点では世界最高の水準の紙幣」と日銀は言っている。
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