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1988年ソウル大会


テニス
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グラフ、サバチーニを圧倒 史上初の5冠 女子テニス


写真
金メダルのグラフ(西ドイツ)。年間グランドスラムに続いて五輪も制し五冠王になった

64年ぶりに五輪で復活したテニスの最終日、女子シングルス決勝で、グラフ(西ドイツ)は、サバチーニ(アルゼンチン)を6−3、6−3のストレートで破った。グラフは、今年の全豪、全仏、全英、全米オープンの4大タイトルを総なめにしており、この日の勝利で、史上初の「5冠」に輝いた。公開競技だった前回のロス大会でも金メダルを取っており、五輪の2連覇も達成した。

第1セット。第4ゲームまで2−2のせり合い。サバチーニはサーブ、ストロークのたびに「ウー」と叫び気合を入れる。かっ色の肌に整った目鼻だちはさながら女戦士のようだ。グラフはただ黙々とボールを追い続け、正確なストロークでポイントを稼いでいく。

グラフが6−3で第1セットを取ったあとの第2セット。サバチーニは力の入ったストロークでグラフを脅かすがもうひとつ決め球がない。

ゲームカウント5−3の後の第9ゲーム。サバチーニのサーブ。「ガビー、ガビー(彼女の愛称)」の声援が1万人の観客で埋まったセンターコートに響く。だが15−40とされた後のマッチポイント。グラフのフォアハンドからの強烈な球が、バックで受けたサバチーニのラケットをはじいた。

その瞬間、グラフの“5冠”が決まった。空を仰ぎ両手を胸元で合わせ喜びのガッツポーズのグラフ。打倒グラフならず、コートで汗をポタポタ流しうなだれるサバチーニ。

近くの観客席に走ったグラフは高さ1メートルの仕切りをヒョイと飛び越え、3列目にいたコーチでもある父のピーターさんと、かたく抱き合った。スタンドからはテニスの女王と、彼女を育てた父に再び大きな拍手。表彰台に立ち金メダルを受け取った。いつものプロの試合では感情を表さないが西ドイツの国歌が演奏され始めると2度ほど目元に手をやった。プロの大会では味わえない感激にむせんでいるようだった。

(1988年10月1日)
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