大型釣り船と衝突した潜水艦「なだしお」が、3人しか救助できなかったことについて、防衛庁の西広事務次官は25日の記者会見で「潜水艦はふつうの船と違って水上事故は考慮していないから、その装備は考えられていない」とし、「十分な捜索ができなかったのは、ある程度事実だ」と認めた。また、「個人的な感じから言うと、自衛隊はいざというときに命を賭(と)して国民、国家、領土を守るのだから、救命胴衣をつけてでも飛び込むこともあってほしかった」と述べ、「なだしお」の救助活動のあり方に疑問を投げかける形になった。さらに同次官は、「なだしお」から海上保安庁への事故通報に約20分かかった点については「自衛艦は作戦のための通信系はあるが、一般との通信系は持っていない。近くの護衛艦から横須賀地方総監部を経由し、メモをとりながらやっていると、かなりの時間がかかる。しかし、20分が妥当だったか、もっと速くできたか、よく調べてみたい」と述べた。
神奈川県横須賀港沖合で、海上自衛隊潜水艦「なだしお」と衝突、沈没した大型釣り船第1富士丸の乗客で、最後まで行方のわからなかった、ナショナル証券勤務の女性(24)の遺体が7月29日午後3時25分、第1富士丸の沈没現場付近を捜索中の漁船に発見され、収容された。これで同事故の死者は30人となった。
遺体が発見されたのは、横須賀港東北防波堤東灯台から東南東約4キロ、第1富士丸沈没現場から南南東1.2キロの海中。この日午前7時15分から、沈没現場付近で底びき網による捜索を行っていた横須賀市東部漁業協同組合の漁船第3弥春丸(柴崎弥春船長)が発見した。
遺体は、同保安部の巡視艇で同日午後4時、海上自衛隊横須賀地方総監部に運び込まれ、長野県から駆けつけた両親が本人であることを確認した。
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