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1996年アトランタ大会


サッカー
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日本サッカー大金星 最強ブラジルに勝利 「メキシコ以来の快挙」


写真
前半14分、ブラジルの激しいタックルにはね飛ばされる前園真聖選手(中央)

サッカーの男子予選リーグで、日本がワールドカップ(W杯)で最多の4度優勝を誇るブラジルを、1―0で下す歴史的な大金星を挙げた。日本男子が公式戦でブラジルを破ったのは初めて。

銅メダルを獲得したメキシコ五輪以来、28年ぶりに五輪に出場した日本は前半、ブラジルに攻め込まれながらも決め手を与えず、0―0で折り返した。後半27分、左サイドからの路木龍次(サンフレッチェ広島)のセンタリングの処理をブラジルDFがミスしたところを、伊東輝悦(清水エスパルス)がけり込んで先制点を奪った。

その後の日本は、ブラジルの猛攻の前に防戦一方。GK川口能活(横浜マリノス)の好守と、ブラジルのシュートがゴールポストに当たる幸運にも助けられ、大会前、優勝候補の呼び声が高かったブラジルの攻めを何とか耐え抜いた。

勝負とは、こんなものかもしれない。ブラジルが放ったシュート28本、日本4本。しかも、後半に放ったわずか1本が、奇跡的な勝利につながった。

27分。路木がカウンター気味に長い縦パスを城に送る。DFと競り合ったボールがゴール前に。セーブしようとしたGKジダと、DFアウダイールが正面衝突し、再びこぼれたボールを「前に広いスペースが開いた。走ればチャンスがあるかな」と、伊東が蹴(け)り込んだ。ザガロ・ブラジル監督が「あれは事故に等しい」と振り返った場面だ。

「事故」を演出したのは体力、気力の限界まで張りつめた「守り」だった。後半が始まった直後、ブラジルは目の色を変えて点を取りにきた。ロベルトカルロスの低いセンタリングにベベトが頭で合わせる。ジュニーニョの強烈なFKがゴールを襲う。さらにアウダイールまで攻め上がってゴールをねらう。個人技と、スピードあふれるコンビプレー。いつ点をとられてもおかしくない展開だった。

だが、川口が横っ飛びでゴールを守り、田中が、松田が、鈴木が体を張って食い止める。城、服部も相手が持ったボールを執念深く、追い掛けた。西野監督が「逃げで守るんじゃなく、全員で組織的に守るんだ」と、言ってきたことが最高の形で実を結んだ。

前園は「1戦目だから。ブラジルに勝っても、五輪全体で結果を出さないと仕方がない」。目は早くもナイジェリア戦に向いていた。

(1996年7月21日)
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