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陸上競技
高橋尚子が金 「すごく楽しい42キロでした」 |
シドニー五輪第10日は24日、18競技があり、陸上の女子マラソンで高橋尚子(積水化学)が2時間23分14秒の五輪最高記録で優勝、陸上の日本女子初の金メダルを獲得した。女子マラソンでの日本のメダル獲得は、92年バルセロナ銀、96年アトランタ銅の有森裕子に続き3大会連続。山口衛里(天満屋)は2時間27分3秒で7位、市橋有里(住友VISA)は2時間30分34秒で15位だった。
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シドニーの春の日差しと、大歓声に迎えられた。両腕を突き上げ、フィニッシュラインに躍り込む。勝負どころの35キロ過ぎから時折見せた苦しそうな表情は、みるみる笑顔に変わった。
「すごく楽しい42キロでした。うれしい気持ちで走れた。沿道の声援が背中を押してくれました」。これが五輪史上最大の難コースと呼ばれた上り下りが激しいマラソンを制した女性なのか。けろりとした表情で、場内を一周した。
そして記者会見でもあっけらかんと言い放つ。「金メダル? 実感わきません。それよりも、これで目標を果たし、目指すものがなくなった、終わった、と思うと寂しい気がするんです」。日本陸上界の戦後初の輝かしい金メダル。「寂しい」という表現をした日本の金メダリストもまた、初めてだろう。
この1年、引きずってきた影がある。昨夏、スペイン・セビリアで開かれた世界選手権に出場できなかったことだ。世界最高記録を出せるほどに仕上がっていた。だが、直前に故障。最後までもがいたが、結局、小出義雄監督と話し合い、棄権を決めた。
米コロラド州ボルダーで練習を続けてきた。「1日だけ、逃げ出したくなった時があった」という。6月、練習開始直前「監督、後ろにスタートして逃げてもいいですか」と真顔で聞いたという。
「そのうち2時間18分で走れる」。小出監督は高橋の可能性についてそう断言してきた。強さの秘けつは、その心肺機能の強さにある。脈は1分間に36-42回だ。163センチ、47キロのほっそりした体に、力強く血液を送り出す強じんな心臓。「普通車が5000ccのエンジンを積んでいる」という小出監督の表現もあながち、大げさではない。
五輪の金メダルという目標達成で燃え尽きてはいない。「寂しい」といったそばから「明日も変わらず、このまま走り続けたい。楽しい気持ちをもって」。「春には海外のレースにも出たいし、今度はタイムを狙って走ってみたい」といった。
高橋尚子フォトギャラリー
高橋尚子の主なレース成績
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