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「久しぶりにクルマを楽しみたい」「でも国産車はちょっとね」。そんな熟年世代に、ヨーロッパの小さな車が人気を呼んでいる。価格的にもスペック的にも、手ごろな車種が増えたのも一因のようだ。クルマの魅力が凝縮された欧州車を、JAIA・自動車輸入組合の試乗会からいくつかピックアップしてみた。 |

やんちゃでキビキビ コンパクト・スポーツ
フォルクスワーゲン(VW)のスポーツモデル「ポロGTI」をベースにした、200台の限定モデル、カップエディション。ゴルフよりひとまわり小さな、いわゆる普通のポロを想像していたら、実物にはいい意味で裏切られた。低めに抑えられた車高に、全長3.9mの小ぶりなボディー。「ポロGTIカップ」シリーズ参戦モデルのデザインを採り入れたエアロパーツを装備して、なんだかちょっと「やんちゃ」な感じだ。
室内は黒を基調に、赤いステッチの入ったレザーステアリングにシフトレバー、足元のアルミペダルと、走りを主張していて、わくわくする。いまや国産小型車では絶滅に瀕している完全マニュアル車。昔取ったきねづかで、これはなんとも楽しみだ。
とはいえ、そこは久しぶりのMT。万が一エンストなんかしたらどうしよう…などと心配しつつ、1速にシフトを入れ、クラッチをゆっくりつなぐ。クラッチは「スパッ」と切れて、重くない。操作は思いのほか簡単で癖が無く、これなら気負わずに乗れそうだ。
乗ってすぐにわかるのが、随所にみられる「きびきび感」だ。ボディー剛性ももちろんだが、まじめなドイツ車らしく、すべての操作感がくっきりとしていて気持ちいい。例えばシフトレバー。かっちりと思ったところに入り、いやーなぐにゃぐにゃ感が全くない。しなくてもいいのに、ついついシフトチェンジしてみたくなる、そんな気持ち良さだ。
ブレーキの利き味も素直だ。変な遊びがなく、踏んだら踏んだだけ、きっちりと制動してくれる。大径16インチがおごられたブレーキは、慣れるまではついついいつもの感覚で踏みすぎてしまってギクシャクしたが、すぐに慣れた。
引き締まった足元によって、こつこつと路面の段差を拾い、乗り心地は固めだが、変な振動は全くない。むしろ、路面の情報がよくわかって走りに集中できる。
慣れてきたので、5速から一足飛びに3速にシフトダウンし、追い越し車線へ。小型のボディーに1.8リッター150馬力のターボエンジンは、なんともパンチの効いた加速だ。大排気量ではないが、よく回ってぐいぐいと車体を引っ張る。3000回転を超えたあたりから、やや野太い排気音が室内にも聞こえてきて、好きな人ならこたえられないだろう。
ハイテク装備や、ずば抜けたスペックはないが、小型でやんちゃなこの車は、「車をコントロールしたい」という欲求にストレートに応えてくれた。走っているうちに、なぜか車に乗り出したころの記憶がよみがえってきた。移動の道具でなく、走ること自体が目的だったあのころ。昔スモールスポーツに乗っていた人や、マニュアル車を好んで運転していた人なら、間違いなくおすすめだ。普段乗りでも、ワインディングに出かけても、運転する楽しみを十二分に味わえること請け合いだ。
| 全長×全幅×全高 | 3,915×1,665×1,465mm |
| エンジン | インタークーラー付ターボ 直列4気筒 DOHC 1,780cc |
| 車両重量 | 1,210kg(4ドア)/1,180kg(2ドア) ※Cup Editionは4ドアのみ |
| 最高出力 | 110kw(150ps)/5,800rpm |
| 最大トルク | 220Nm(22.4kgm)/1,950〜4,500rpm |
| ハンドル | 右 |
| ミッション | 5速MT |
| 駆動方式 | FF |
| 定員 | 5名 |
| 車両本体価格 | 234万円(2ドア)/255万円(4ドア)/288万円(Cup Edition) |

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