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美しき景色がつくる

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編集部現地レポート

集まり散じた文人墨客たち

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絶景。左の文殊岬の突端にあるのが松露亭だ

阿蘇海と呼ばれる湾に突き出た文殊岬の突端にあるのが数奇屋造りの松露亭だ。文殊の知恵をまつる智恩寺文殊堂の庭先でもある。平屋建て、部屋数は11。冬の時期なら山茶花やシシガシラが美しい。コハクチョウやスズガモ、ユリカモメの鳴き声が部屋の中まで聞こえてくる。

創業は元禄3(1690)年。文殊堂の山門前に「勘七茶屋」をたて、餅を参詣客にふるまったのが事の起こりだ。いまでは運河に面した文珠荘、船が通るために中心部を軸に橋が回線する「廻旋(かいせん)橋」近くの対橋楼、そしてこの松露亭と3つの宿を経営する。ここ松露亭は昭和29(1954)年に建てられた。11年前、リニューアルに伴い、それまで名乗っていた別館文珠荘から松露亭に名前を変えたという。名づけ親は作家・藤本義一さん。天橋立に林立する松。クロマツ林に自生するきのこ「松露」、トリュフが由来である。

別荘のような感覚でお迎えしたい。そんな亭主の心意気が伝わったのか、文人墨客が引きも切らない。水上勉、司馬遼太郎、大江健三郎、灰谷健次郎、村松友視、笹沢佐保などなど。山口瞳は雑誌連載の中で、こう書いた。<立地条件がいい。僕は平庭が好きだが、まず玄関へのアプローチがいい。本当に文珠荘別館の庭に天橋立があり、文殊堂智恩寺があり阿蘇海巡りの遊覧船の港があり祗園 行きのバスの停留場があるといった按配(あんんばい)なのだ>(「男性自身」より抜粋)

安芸の宮島、陸奥の松島とならぶ天橋立は、大江山のふもとを流れる野田川から砂を押し流し、一方で海からの押し返しにより出来た砂嘴で、宮津湾と阿蘇海を分かつ、全長3.6キロに及ぶ白砂の松林だ。

与謝蕪村は「はしたてや松は月日のこぼれ種」と、百人一首にも「大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天橋立」と詠まれている。大小8千本の松が彩りを添えるこの名勝に、疲れを癒し、次への創作意欲をかき立てる手立てがある。

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天橋立ビューランドから、天橋立を股のぞき。両足がちょっと写っている
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「逆さがキレイ!」。股のぞき鏡とは粋(いき)である
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天橋立は実際に歩いてみると、白砂地がどこまでも続く
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