18世紀以来の急速な産業革命の副産物である大気汚染は、各国で深刻な問題になっていた。1952年12月、ロンドンで歴史上最悪のスモッグが発生し、1カ月足らずで4000人以上が死亡する大事件となった。家庭のストーブ、工場や発電所などで石炭を燃やすときに発生する二酸化硫黄や煤塵(ばいじん)などが原因だった。
衝撃を受けたイギリス政府はすぐに調査委員会を発足させ、翌53年に「国家規模での対策が必要である」という報告をまとめる。その結果、56年に大気清浄法が制定され、ロンドンの空は徐々に改善に向かっていく。そのころ、アメリカでも多くの都市が大気汚染に悩まされており、55年に同じく大気汚染清浄法が成立している。人間の行為が地球に与える影響が、明らかに今より軽視されていた時代の出来事だった。
1950年代後半になると、ソ連(現ロシア)の人工衛星スプートニク1号が打ち上げに成功。アメリカも翌年におい、本格的な宇宙開発時代が幕を開け、宇宙から地球を観測するという道が拓かれた。
一方、日本では水俣病やイタイイタイ病など、産業活動による公害が次々とニュースになった。このころには、まだ、「環境問題」という言葉は存在しなかった。
※本ページのテキスト・図版・写真は『気候変動+2℃』より抜粋して構成していま す。
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