今、さかんに行われている清掃ボランティアやごみ拾い。誰でも簡単に参加できる身近なボランティア活動だが、活動歴18年目を迎えるJEAN/クリーンアップ全国事務局は、他とは少し違う取り組みで、海のゴミ問題解決のための国際環境保護活動をしていることで知られている。
JEANが2005年度の全国クリーンアップキャンペーンで採取したゴミの総数は、83万2854個。種類別のトップ3は、
1位:硬質プラスチック
2位:タバコの吸殻・フィルター
3位:プラスチックシートや袋の破片
となっている。圧倒的にプスチック類のゴミが多いが、破片類を除くと、毎年タバコが1位を独走しているとのこと。これは日本だけでなく世界でも同様らしい。
このようにJEANの活動の特色は、「ゴミのデータを集める」ことにある。ゴミを拾ってきれいにするのはもちろんだが、ゴミのデータを収集・蓄積、発信し、地球環境の改善につなげていくことを大きなテーマとしている。
このクリーンアップキャンペーンは世界中で行われており、しかも世界で同時期に同じ集計表を用いて行われる。この世界共通の海岸クリーンアップ運動を統括するのが、アメリカの環境NGOであるオーシャン・コンサーバンシー。JEANはオーシャン・コンサーバンシーの日本の窓口として、全国クリーンアップキャンペーンの企画・運営、コーディネートを担っている。
ゴミの分別方法は、オーシャン・コンサーバンシーの方法にのっとり、釣り糸、食器、衣類、生活雑貨などに分けるのに加え、日本国内では、花火、プラスチックの苗木ポット、牡蠣(かき)の養殖に使われたパイプ、自転車など独自項目を追加。全部で60品目以上になる。
収集されたゴミのデータは環境に対する意識啓発、環境改善に向けての提案などに役立てられる。海岸のゴミを拾うことはもちろん重要だが、それは海全体に浮かんでいるゴミからすればごく一部。統計的にみると、海岸に流れ着いたゴミは海全体のゴミのわずか1%にしか過ぎないといわれている。拾うだけでは海洋環境は改善されない。海のゴミの多くは生活ゴミで、拾わなくていいようにするためには、どうやって生活ゴミの発生を抑制するかが肝心なのだ。
環境を考えるための入口としてもってこいのクリーンアップ活動には、小学生からリタイア組の中高年まで幅広い人が参加している。とりあえず体験してみたいという場合には、全国各地で実施されるクリーンアップ活動の中から、「オープン」と呼ばれる場所を選択すればいい。事務局へ問い合わせれば、自分の希望するエリアの活動をていねいに紹介してくれる。
参加者は各自が用意したゴミ袋にゴミを拾い集め、データ表にもとづいて種類別に数を記入する。また、事前調整や当日の準備、収集と分別集計までの役割を担う「キャプテン」として参加することもできる。ただし、「キャプテンマニュアル」に習熟し、事前に事務局へ参加申込をすることが必要だ。
ゴミ調査を続けていくことは、発信や交流、意識づくりにもつながる。地元で活動団体を立ち上げる人や行政への働きかけを始める人など、新しいつながりも生まれる。
一人ひとりの暮らしのあり方が変わらなければ海洋環境も変わらない。JEANは、クリーンアップキャンペーン以外にも講演活動や勉強会、パネルや漂着物の展示などを通じて、人と人がつながり、大きなパワーとなる仕掛けづくりを続けている。
(更新日:2007年02月22日)
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