有機農業を体験してみたい、農場で自然を感じながら生活してみたい、と思う人にうってつけの制度がWWOOF(ウーフ)。WWOOFとは、Willing Workers On Organic Farms(有機農場で働きたい人)の略で、国内外の有機農場などでボランティアとして働くことを支援する会員制組織だ。
仕組みは、働き手(ウーファー)が受け入れ先(ホスト)で働く代わりに、食事と宿を提供してもらうというもの。従来の住み込みアルバイトとは違い、ウーファーとホストの間には雇用契約がなく、金銭的なやりとりもない。両者ともにWWOOFに会員登録し、労働力と寝食を交換する。
WWOOFは1971年にイギリスで発足、日本では1994年にスタートした。現在では世界20カ国以上に事務局がある。
ウーファーになりたい場合、日本ではWWOOF JAPAN(札幌市)に会員登録をする。登録費は年間1人4千円。登録後、IDとパスワードが送られてくる。それを使ってホストリストから希望するホストを選び、連絡。ホストが受け入れOKであれば手続き完了。約束の日時にホスト宅へ出向き活動開始だ。現地までの交通費はウーファーの負担となる。
ホストは全国各地にあり、2、3日から受け入れるホストもいれば、1年間の長期滞在ができるところもある。受け入れ期間がさまざまなので、週末だけでも、会社が休みとなる1週間でも可能だし、退職後に長期滞在することもできる。ホストを転々とまわる「ウーフの旅」をする人も少なくない。
ホストは有機農家が中心だ。しかし、そればかりでない。民宿、農家民宿、ペンション、福祉施設や教育機関、環境活動を行なっているところ、自然に囲まれた喫茶店や農家レストラン、有機生産物を取り扱っている店、人と交流することを大切にしている機関など、農家以外のホストもある。
ウーファーの作業は1日約6時間程度。1週間以上滞在すれば、通常毎週1日の休みがもらえるのが原則だ。ウーファーは労働力を提供するだけではない。普段知り合えない人との出会い、技術の習得、文化・風習の学習、健康づくりなど、大きなプラスアルファーが得られる魅力がある。
「農業、養豚を通して、循環という仕組みが形になっていることが実感できました。有機無農薬へのこだわり、農業に対する真摯(しんし)でひたむきな姿勢に対して感動。専業農家という生き方の厳しさと、かっこよさの一端を垣間(かいま)見ました」(30代男性)。
「ここに集う人々、全てのものは『農』を飲み込んだ大きな流れで私を包んでくれました。特にホスト夫妻は素敵(すてき)で、確かに先を歩いている魅力的な兄貴姉貴でした。グループホームの人たち、韓国人、オーストリア人、私と同じようなものを探している人、ホストに惹(ひ)きつけられて訪れる人、たくさんの出会いがありました」(20代女性)。
と、作業を通してホストの仕事を深く知り、その生き方に何かを感じ、学んだことも大きかったようだ。逆にホストの方も閉鎖的になりがちな場所に、各地からさまざまな経歴を持つウーファーが来て、共同生活することがいい刺激となっているという。
海外でウーファーになりたい場合、基本的には現地のWWOOF機関に会員登録する必要がある。しかし、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドはWWOOFJAPANで登録できる。また、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、オーストリア、ドイツ、イタリア、スイス、アメリカ(ハワイを含む)、イギリス、フランス、スペイン、アイルランドは、WWOOFJAPANで「登録代行サポート」を利用することもできる。
(更新日:2007年03月08日)
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