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エコーる・カフェ ナチュラル事始め

よみがえる家具 捨てないための修理術

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「もったいない」が環境保護のキーフレーズとなって世界に広がろうとしている。物を大切に扱い、使えるものは捨てない、限りある資源を循環させようという精神だ。横浜でクラシック家具の製造・販売を行うダニエルは、この精神で「家具の病院」を設立した。ダニエルの高橋保一社長とマネジャーの阿武野寛晴さんに、家具を長く使うためのコツや修理方法を聞いた。

納得!発見!生活の知恵

江戸の修理屋さん

最初に、「もったいない」精神で人々が生きていた江戸時代の様子を少し紹介したい。

現代に比べて、物がはるかに少なかった時代、人々は紙の一枚、灰の一握りも無駄にすることはなかったという。用具類は大切に扱い、こわれても修理を重ね、使い続けた。

江戸には多種多様な修理屋がいた。「ちょうちんの張り替え」「錠前直し」「算盤(そろばん)直し」「眼鏡(めがね)屋」、キセルの修理をする「羅宇(らう)屋」などは「職商人(しょくあきんど)」と呼ばれ、修理のかたわら新品の販売や古物の下取りをしていた。

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ちょうちんの張り替え(「守貞漫稿」より)

このほか、ふいごと道具箱をてんびんに担いでやって来て、鍋・釜などの金属製品を直す「鋳(い)かけ屋」。たるや桶のたがを締め直す「たが屋」。割れた茶碗などを白玉粉で継ぎ加熱して直す「瀬戸物の焼き接(つ)ぎ」。包丁などを研ぐ「研ぎ屋」。そして「下駄の歯入れ」「臼(うす)の目立(めたて)」「鏡研ぎ」などなど、修理を専門とする職人も多かった。

こうして物を大切に使い続けた江戸時代は、今でいう循環型社会だったといえよう。

開国後もその伝統は受け継がれた。横浜では幕末、外国人が持ち込んだ洋家具を修理・再生することで、洋家具製造の技術が根づき、「横浜クラシック家具」が生まれた。

横浜に「家具の病院」誕生

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修理前と修理後のいす。ビクトリア王朝時代に作られた英国製バルーンチェア。木地を修理し、クッションや張り地を取り替えたら見事に昔の姿がよみがえった。

1960年代、日本は高度経済成長の波に乗り、消費は美徳とばかりに使い捨て時代が始まった。ちょうどそのころ、時代に逆行するかのように、家具の修理(リペア)サービスを始めた会社があった。ダニエルの前身、イズミ家具インテリアである。しかし、一般の人々に家具の修理が受け入れられることはなかった。だが、30余年を経た1998年、「家具の病院」と名付けて再スタートしたとたんに、リペア・サービスは評判となった。

「戦後まもなく、先代が駐留軍のソファーやロッカーを修理する仕事をしていたことがあります。幼かった私は、物の豊富な米国の人たちが、どうして修理をしてまで使おうとするのか不思議に思いました。しかしその後、豊かになった日本で、多くの物が捨てられているのを見てむなしく感じるようになったのです」。そのむなしさがリペア・サービスを始めるきっかけになったと高橋社長。「大量生産の結果、物を簡単に捨ててしまう殺伐(さつばつ)とした世の中で、本物の家具の良さを知ってもらい、物を大切にする心を取り戻して欲しかった」と語る。

「家具の病院」というネーミングの面白さでマスコミに取り上げられ、話題になったダニエルは、利用者を増やしてきた。新品で買うより割高にならないように見積りを提示し、利用者に判断してもらう。

修理をする人が増えてきたのは、古き良き家具を長く使いたい、思い出の染み込んだ家具に愛着があるなど様々な理由がある。だが、使い捨て家具では満たされない、本物の家具のもつ豊かな文化性に価値を見出す人が増えてきたともいえそうだ。

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