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エコプロダクツ物語

窓で地球を守る エコガラス普及作戦

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冬、窓から逃げる熱は48%にも達するという報告がある。それを防ぐ断熱性にすぐれたガラスは20年以上前からあったというが、普及は進んでいない。

そこで、大手板ガラスメーカー3社で作る板硝子協会は2006年、このガラスの存在を広く知ってもらおうと、イメージが伝わりやすい「エコガラス」という総称にし、キャンペーン活動を開始した。増え続ける家庭からの二酸化炭素(CO2)排出量を削減する――業界を挙げたキャンペーンの動きと思いをさぐった。

新築住宅でも採用は2、3割

「ガラスメーカーはこれまで生産工程における省エネ、温暖化ガスの排出軽減などに目を向けてきたが、省エネ効果の高いエコガラスを消費者に普及させることで、販売面でも地球の環境保護に貢献したい」。エコガラスの普及キャンペーンを始めた板硝子協会の調査役・師尾元(もろおはじめ)さんは語る。

特殊金属膜をコーティングしたLow-Eガラスを一方に組み合わせた複層ガラス
エコガラスは、特殊金属膜をコーティングしたLow-Eガラスを一方に組み合わせた複層ガラス。2枚のガラスの間には乾燥した空気などが注入される。Low-EガラスはLow-emissivity(ロー・エミシビティ)ガラスの略。日本語では低放射ガラス。

エコガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気を封入することで断熱効果を発揮する複層ガラスに、 さらに加工を施した製品。複層ガラスの空気層に熱放射を遮断(しゃだん)する特殊金属膜をコーティングしたガラスだ。金属膜で約5割の日射熱をカットする。一般の複層ガラスと比べ、遮熱・断熱性が高い。

1985年に旭硝子がアメリカから輸入販売して以来、Low-E(ローイー)複層ガラスや低放射ガラスなど、さまざまな商品名で販売されてきた。

特殊金属膜を室外側に使うことで、夏は強烈な太陽エネルギーを反射して冷房効果を高め、冬は室内の暖房熱を反射して熱を逃がさず暖房効率を高める。逆に室内側に使うと、外からの日射熱は採り入れつつ、室内の暖房熱を反射する。保温性に優れるため、冬の寒さが厳しい地方の窓に最適だ。

そんな優れもののガラスだが、なかなか普及はしなかった。複層ガラスは、2005年に建てられた戸建ての82.7%、共同住宅の38.5%で採用されている。エコガラスはそのうちの2〜3割を占めるにすぎない。(板硝子協会推定)

窓から逃げる熱
冬、窓から逃げる熱
窓から入る熱
夏、窓から入る熱

※1992年の基準で建てた住宅モデルにおける例(次世代省エネ基準ではない)

エコガラス普及へ業界挙げてキャンペーン

昔の日本家屋は、高温多湿の夏向きに考えられ、風通しをよくしたものが多かった。しかし近年、冷暖房機器が急速に普及したことにより、室内温度を保つ機能のあるガラスが必要になり、新築住宅で複層ガラスが採用され始めた。1996年ごろから大手の住宅メーカーも標準で採用し、価格も下がった。

一方、エコガラス(Low-E複層ガラス)は、特殊な加工を必要とするため供給者が限られる。金属膜をコーティングしたガラスは板の状態では劣化するので、3〜6か月以内に複層に加工する必要がある。また高い製造ノウハウも必要とされるので現在、日本で製造・販売しているのは大手3社のほかに数社のみ。価格も一般の複層ガラスの1.6〜1.7倍だ。

「普及率が上がらなかった理由は、ユーザーに十分な機能説明ができず、名称もバラバラで分かりにくかったことにもあるのではないか」。そう考え、2006年4月から商品の総称を一般の人にも伝わりやすい「エコガラス」に統一し、初めて、業界挙げてのキャンペーンをスタートさせたという。

キャンペーンのテーマは「窓ガラスで守る地球の未来」。エコガラスを採用する効果を分かりやすくするため、25本ブナの木を植えるのに等しいとアピールした。

2005年に京都議定書が発効し、政府主導の温暖化防止対策が始まるなど、地球環境への関心が急激に高まっていた。キャンペーンは、こうした時代に呼応させた形だ。

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