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エコプロダクツ物語

太陽光発電でライブ トラック舞台走る

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太陽光発電で音楽ライブやイベントができるハイブリッドトラックが走り出している。「エコモービル」と名付けられたトラックで、横浜市にあるキシムラインダストリーが日野自動車、東海大学と共同で開発した。「太陽電池は不安定で実用性が低いと言われるのが悔しかったので、使えるものを作りたかった」と語るキシムラインダストリーの岸村俊二社長に、エコモービル誕生にまつわる話を聞いた。

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「エコモービル」4トン車。およそ3世帯が1日に使用する電気をまかなう実力を持つ。

およそ3世帯が1日に使用する電気をまかなう実力

2006年5月4日、好天の東京・お台場で開催された「ODAIBAソーラーパフォーマンス2006」にエコモービルが出動。鳥の翼のようにウイングを大きく開いたトラックの荷台の上から、「エコで歌おう!」とミュージシャンが呼びかけた。エレキギターやミキサー、スピーカーなどの音響機器も通常のライブと同じように使われた。「必要な電気はすべて、エコモービルに張り付けたソーラーパネルで発電し、バッテリーにためて供給しました」と話す岸村さん。

太陽光発電は二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質を排出しないクリーンエネルギーの一つだが、「電力量が足りなくて、ライブなどの実用には使えないのでは」と指摘されてきた。だが、エコモービル4トン車の発電能力は、1時間5キロワット、1日の日照時間を4時間と試算すれば最大20キロワットとなる。 岸村さんは「この発電能力は、住宅用太陽電池を長年設置してきた私たちの経験からすれば、省エネに努力している家庭のおよそ3軒が1日に消費する電力に相当します」と語る。

「このライブでは午前9時のリハーサルから本番が終わるまで約6時間、電気を消費しましたが、使いながら継ぎ足しているので蓄電量はほとんど減っていませんでした。100%エコエネルギーで、太陽光発電だからCO2発生量もゼロ。理想的な電源です」と岸村さん。

ライブに集まった観客からも「本当に、十分な電気が供給できるんだ」と驚きの声があがったという。発光ダイオード(LED)照明の演出付きで、夜間にライブを行っても蓄電量の3〜4割しか消費しない、まさにエネルギー自給の新発明だ。エコモービルが完成した2005年夏からの出動は約20回を数える。

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2006年8月、「打ち水プロジェクト2006」。イベントに必要な電気をエコモービルが供給。
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2006年6月、「ECO CAR WORLD 2006」。電気自動車、燃料電池車などのエコカーがおよそ80台集合。

独立電源との出合い

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2002年3月、電気自動車関連のイベントで発表された電気自動車用エコステーション。

エコモービル開発への布石となる太陽電池との出合いは、1993年にさかのぼる。パラボラアンテナなどを高所に設置する電気通信工事業として会社を立ち上げていた岸村さんに、「高いところの施工が得意なら」と太陽電池メーカーから声がかかったのだ。

さらにその後、住宅用太陽電池の設計施工、住宅メーカーへの技術指導に当たるかたわら、岸村さんは独立電源と出合う。独立電源は、太陽電池で発電した電気をバッテリーにためて必要に応じて使うシステム。これを使って、電柱のない山間部で温室栽培をしたい、バス停の看板をLEDで光らせたい、噴水を上げたい……。太陽光発電による電気で何かをしたいというニーズは多かった。

ところが、岸村さんがかかわっていた太陽電池メーカーは独立電源の普及に二の足を踏んだ。日照不足によって需要と供給のバランスが悪くなり正確に作動しなくなる、炎天下にさらされて内蔵した半導体が壊れるなどの理由で、安定したシステムが作れないからだ。

「しかし、野外で独立電源を使いたいというニーズは高く、必ず21世紀後半には大きなビジネスになると確信が持てた。そこで当社が太陽電池メーカーの隠れ部隊になって、物件に合わせたオーダーメードのシステムを開発したり、さまざまなデータを蓄積したりして、いくつもの壁を乗り越えてきたんです」

岸村さんの読み通り、独立電源の市場は広がった。エコモービルも「独立電源のアプリケーションの一つ」だ。

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