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エコプロダクツ物語

山登るハイブリッド 上高地の自然守る

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排気ガスが少なく燃費がいいため、エコプロダクツのシンボルの一つになっているハイブリッド車。エンジンと電気モーターなど複数の動力源をもつ車だ。最初に乗用車として市販されたのは1997年、トヨタのプリウス。だがそれより6年も早く、ハイブリッド路線バスは国内8都市に登場。2年後には、日本有数の山岳景観地、上高地の自然を守るため、苦手だと思われていた坂道も克服していた――ハイブリッドバスの転換点となった挑戦をたどった。

写真
1991年、全国8都市に導入されたハイブリッド路線バス

上高地にハイブリッドバスを

「話を聞いた時は、思わず絶句しました」と語るのは、日野自動車でハイブリッド車の開発を率いてきたHV開発部長の小幡篤臣(おばた・あつおみ)さんだ。

「上高地でハイブリッドバスを走らせたい」との相談が、長野県にある松本電気鉄道(松本電鉄)から長野日野自動車を通して舞い込んだ。1993年のことだ。

山岳リゾート地として多くの人が訪れる上高地では、観光のピーク時には駐車場が満車となり、空きを待つ自動車の排気ガスが自然に悪影響をおよぼすようになっていた。このため、環境破壊がこれ以上進まないようにと、1975年からマイカー規制が実施された。観光客を乗せる路線バスやシャトルバスを運行していた松本電鉄も、自然保護を強く意識していた。

そこで注目したのが、1991年に日野自動車が世界に先駆けて実用化した、ディーゼル・電気ハイブリッドの路線バスだった。東京や横浜など国内8都市に導入され、通常のバスと変わらない走行性能と安全性を示す一方、排気ガスが少なく、低燃費も実現していたからだ。

しかし、バイブリッドバスを開発してきた小幡さんには、都市を走らせるバスと違い、坂道を走らせる困難さは容易に想像できた。

ターゲットは都市走行だけ!?

日野自動車のハイブリッド路線バスは、ディーゼルエンジンを主動力とし、電気モーターを補助動力としていた。発進や加速時は、電気モーターがディーゼルエンジンを助け、ブレーキをかけると、そのエネルギーを電気としてバッテリーに充電し、次の発進・加速に備える。

ハイブリッドバスは、発進(放電)→減速(充電)→停車→発進(放電)を繰り返す都市走行に合う仕組みだった。

ハイブリッドバスの走行の仕組み

ところが、松本電鉄の要望は、標高差900メートル・最大勾配20%の山坂道を、安全で快適に走れること。つまり、登る時は電気を使い続け、下りは充電し続ける環境での安全走行が求められた。

「上高地のような山坂道での使用は、まったくの想定外でした」と小幡さんは言う。

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