古タイヤのチューブを使った財布やバッグ、LPレコードを使った小物入れ、パソコンの基板を使ったブローチやマグネット――フィンランドの「セッコ」(SECCO)ブランドがつくる製品はすべて、元は産業廃棄物。原型はとどめつつも、魅力的なグッズに変わっている。デザインの魔法をかけたのはどんな人たちか――セッコの輸入代理店・ピクニックの真島僚子さんに聞いた。
真島さんが初めてセッコのエコグッズと出合ったのは「インテリア・ライフスタイル展」、2005年のことだ。リサイクル素材の特徴を残して、きちんとデザインされている製品に「なるほどこういうものが作れるんだ」と驚き、惹(ひ)きつけられた。
リサイクル製品といえば、シンプルで地味というイメージがあった。しかし、センスの良いデザイナーの手で、カラフルな携帯電話のボタンが、おしゃれなネックレスやイヤリングに変身していた。
すぐにピクニックで輸入を開始。今では国立新美術館のショップをはじめ、東京都内の雑貨店などに製品を卸している。近く、ネット販売も始める予定だ。
セッコのエコグッズはどのようにして生まれたのか。北欧の女性が始めた小さな会社について、今では設立者と友人付き合いをしている真島さんが語ってくれた。
セッコの設立者、ニーナ・パルタネンさんは、大学で経営学を学び、IT系企業のコンサルタントとして働いていた。だが、「何かが違う」と感じて、2002年に仕事を辞める。
自然豊かな土地に育ち、環境保護に深い関心があった彼女は、リサイクル・デザインの展示会や、ワークショップに足を運ぶようになった。そこで見たのは、いずれも一点ものの作品。デザイン制作に没頭するデザイナーが、魅力あるリサイクル素材を数多く探し出すのは難しかった。
エコグッズを、多くの消費者に届けたいと考えたパルタネンさんは、安定した材料供給のため、リサイクルセンターのネットワークを作り、ワークショップ(工場)を設置することにした。
デザイナーのネットワーク化も進めた。北欧は学生デザイナーの制作活動が非常に盛んだ。セッコの話を聞いた学生たちがワークショップに参加してくれた。一方、パルタネンさんも工業デザイン課のある大学に出向いて学生に声をかけた。こうしてリサイクル素材を生かすアイデアに溢(あふ)れたデザイナーが、セッコに集まってきた。
ワークショップに加え、職業訓練所と提携して生産体制を整えた。生産と材料調達の拠点として、ドイツやオーストリアにもネットワークを作っていった。フィンランド国内は人口約526万人と市場が小さいので、販売拠点を国外にも広げた。現在、欧州11カ国、米国、日本に販売代理店がある。
セッコは、環境保護をコンセプトに、デザイナーとリサイクルセンター、ワークショップをネットワークでつないだ。エコロジービジネスとそれまでのビジネス経験を結び付けたパルタネンさんは「自分の人生で、本当にやりたいことが見つかった」と真島さんに語ったという。


フィンランド中部にあるペタヤベシで2003年、セッコは生まれた。

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