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エコぜみなーる

Vol.05 地球をもっと知るための旅 自然と生きる ハワイの真髄 海と、出会う〜地球に愛された島〜

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熱帯のジャングルを抜けたら唐突に竹やぶが表れる。オアフの山の表情の豊かさに驚かされる。

意外な驚き。ワイキキからすぐ近くにある熱帯雨林を歩く。

環境に配慮しながら現地の豊かな自然や文化に触れ、すばらしさや保護する必要性を体感する……そんなエコツアーの醍醐味を、遠く離れた奥地に行かなくても味わえる場所がある。

世界的に有名なハワイのリゾート地・ワイキキ。青く澄んだ海、白い砂浜、風に揺れるヤシの葉。みやげもの屋や高級ブランドショップが立ち並ぶ通りは、毎晩遅くまでツーリストで賑(にぎ)わう。

その喧噪(けんそう)からほんの4〜5キロメートル離れた所に、ワイキキのイメージとはおよそかけ離れた豊かな熱帯性の原生林が残っている。ネイチャーガイドの小野カイル氏が主催するアロハアイナ・エコツアーズは、ハワイならではの自然環境や文化を体感できる少人数制の「ジャングルハイキングツアー」を行っている。ハワイ州森林局の特別許可を得て、原生林の中を曲がりくねったトレイル(自然の小道)を歩くツアーだ。

トレイル沿いに落ちていた“ブルーマーブル”というツヤのあるきれいな青い実。レイに使われる。

ハワイアンの祖先とともにやって来たカヌー植物

コンパスも地図もない遠い時代。星の位置、潮の流れを頼りに、人力の木製カヌーに乗って、はるばるポリネシアからハワイにやって来たハワイアンの祖先たち。主食のタロイモやココナッツ、サトウキビ、バナナ、ワウケ(桑の一種)など、彼らが持ち込んだ日常生活に欠かせないおよそ25種類の植物はカヌー植物と呼ばれる。大陸から遠く離れた島国で暮らすためには、その場で手に入る資源の有効活用が必要だ。古代ハワイアンは、これらの植物を料理素材のほかに、建築、衣服、薬、楽器など、根から葉先まで一切無駄なく利用してきた。「ジャングルハイキングツアー」のトレイル沿いには、ククイ、ジンジャー、バナナ、竹など、いくつかのカヌー植物が生えている。ガイドが説明する植物の特性や利用法を聞くと、自然を崇拝し、自然と共存してきたハワイアンのルーツが見えてくる。

自然環境を守る大切さをツアーで実感

ベテラン・ネイチャーガイドの小野カイル氏。彼のガイドのおかげで、山歩きが100倍楽しくなる。

先住民以前にはコウモリと野鳥しか住んでいなかったハワイは、渡り鳥や海流、人間などによって本来の自生地から運ばれ野生化した帰化植物が、独自の進化(または退化)を遂げて固有種となっている。外敵もいなかったため、身を守る術が退化したハワイ固有種は、人間の入植とともに入って来た外来植物や病気、イノシシ、ヤギ、ネズミといった害獣によって危機に晒(さら)され、絶滅した。ハワイ独自の自然環境を残していくためには、今後どれだけの固有種を守れるかが重要課題だ。

ツアーで歩く原生林には、コア、オヒアレフア、コキオケオケオ(オアフ島固有の白いハイビスカス)、シダ類など、たくさんのハワイ固有種が自生している。ガイドはトゲのある外来種と、トゲが退化してイノシシの絶好の食物となってしまった固有植物の葉をツアー参加者に紹介してくれる。わずかにトゲらしきものを残した葉に触れれば、脆弱な自然環境を守るためには、外来の動植物を持ち込まない、土地固有の植物を持ち出さないことの大切さを肌で感じることができる。

ハワイの抱える問題と環境保護への取り組み

独自の進化を遂げ10mもの木に成長するホワイト・ハイビスカス「コキオ・ケオケオ」。オアフ島にしか自生していない。

世界規模の環境破壊が懸念されるようになって久しいが、ハワイも例外ではない。現在オアフ島の人口はおよそ90万人。ハワイ州の全人口の70%がオアフ島に集中している。昨今は、米本土の景気の良さもあり、ハワイの土地開発に拍車がかかっている。さらに、人口増加に伴う交通渋滞、ゴミ処理問題、違法な動植物の持ち込み、水質汚染など、ハワイの自然環境はこれまでにない脅威にさらされている。

オアフ島に生まれ、子供時代よりハイキングやトレッキングでハワイの山や自然に慣れ親しんできた小野氏は、大学時代に地元の環境保護団体に入った。原生林のトレイル作りや修繕、有害外来種の除去。マウイ島ハレアカラ山では、野生のヤギからハワイ固有の高山植物を保護するための柵(さく)を作るなど、さまざまな環境保護ボランティアに参加してきた。また、ツアーの収益の一部を環境保護団体に寄付して、ハワイの自然保護の一旦を担っている。

「ハワイは太平洋に浮かぶ島。見て、触れて、嗅(か)いで、ときには味わう。、五感をフル活用するエコツアーに参加してハワイの限られた資源を自覚すると、地球も宇宙に浮かぶ1つの島であること、限られた資源が大切であることを実感できるのではないでしょうか」と小野氏は語る。

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