生きている木は、たっぷりと水分を含んでいる。杉の場合、立木で200%の含水率と言われている。伐採した木は十分に乾燥させてから住宅のそれぞれの用途に加工する。乾燥による収縮でひび割れを防ぐためだ。
従来、山で伐採された木は数年間、放置され、乾燥が進んだころ、建材用に加工される。製材所で加工した後も、積み上げられてさらに乾燥させる。家を建てる時に、柱に棟と梁を渡して建物の基本構造ができると「上棟式」「建前(たてまえ)」が行われるが、その後もしばらく放置する。木を組む「ほぞ穴」でつながれた柱や梁が、乾燥収縮によってしっかりと固定されるのを待つためだ。上棟式が済んで数カ月してから壁や屋根などを組む。
葉枯らし材はこれに近い。時間をかけて乾燥させた材木は、木の芯まで乾燥するため、その後のひび割れが少ない。木の風合いを生かした板倉作りなどの工法に適している。
一方、現在では、オーブンの機能を持った巨大な装置で、数日から数週間かけて人工的に乾燥させる方法が主流となっている。工期も短く、連結にはビスや釘も使う。
人工乾燥した材木は、多く市場に出回っているので調達しやすいが、乾燥の程度は一定ではない。山から切り出して、すぐに製材し、数日乾燥させた材木を大工さんは「ズブ生」と呼ぶ。ズブズブとノミが入ってしまうからだ。「ズブ生」でもその後はじっくりと乾燥が進むので強度的には問題はない。また、現在主流の工法は、柱や梁を壁や天井で囲うので、柱にひびが入っても目立たない。人工乾燥の欠点が気にならない工法だ。
「ちば山」が活動する夷隅郡・大多喜町周辺の杉林は、17世紀後半から山武杉(さんぶすぎ)という品種で市場に流通し始めた。この杉は、枝が小さく丈が高い。材質は堅く、油分が多いのでつやがよく出る。建築材や建具材に適している。また花粉が少ないことでも知られている。
杉は、植林してから40年ほどたつと家を建てるときに骨格となる構造材として使えるようになる。「ちば山」に限らず、各地で杉林を有効に利用しようというグループが地産地消に取り組み始めている。
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